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 「周王家1」 ―1―


 周王国は崑崙国と同様に大陸西方の国家である。
 この周の現国王・姫昌には、実子・養子を含め、百人の子供達がいる。
 この姫昌の元に、隣国の商王国から世継ぎ同伴の上での宴の招待状が届いていた。
 「親父!兄ちゃん!何考えてんだよ!」
 そう叫んだのは次子の姫発だった。
 「落ち着きなさい発。これは正式な招待なのだよ」
 弟の肩に手を置き、穏やかに伯邑考は諭す。
 「だって最近あの国は変だって言うじゃないか!ドンドン他国に戦を仕掛ける、王と最近後宮に上がったっていう王の寵姫に逆らったり、機嫌を損ねたりする者は非道い拷問の末に殺されてるっていうじゃないか!そんな所に行ったらどんな目に遭わされるかわからねぇよ!」
 勢いにまかせて姫発は一気に言う。
 「発、伯邑考の言う通りこれは正式な招待だ、行かぬ訳にはいかぬ、だが伯邑考よ、お前は行かずとも良いのだぞ、理由など何とでもなるのだからな」
 「いえ、父上私は参ります、書状には是非とありましたし…それに父上同様私も事の真偽をこの目で確かめたいのです」
 「そうか…」
 「親父…兄ちゃん…」
 二人の決意が固く、止められぬのを悟り姫発は涙ぐむ…
 「大丈夫だよ発、噂には尾鰭が付く物だし、それに仮に本当だとしても公式の席で他国の王族に危害を加えることはないよ」
 伯邑考は弟を安心させるようにそう言った。
 
 そうして二人は隣国・商王国へと向かった。

 ―あとがき―
 いきなり周です。違う話かと混乱されるかもしれませんが、一応「草原の少年」と同じシリーズです。