―『神』に愛されし存在(もの)シリーズ設定―

 ―Dグレ専用企画:クリスマス&アレンくん誕生日企画―
 ―Web拍手バージョン2007―




 
―…すべて無かったことにして
     現実逃避でプレゼント制作に没頭する伯爵と
               何気におかんむりないじわるロード…―
  

 ―カチャカチャカチャ…
 ―グツグツグツ…
 …そんな音とともに『家』の中には美味しそうな香りが漂う…
 「フンフンフ〜ン♪v」
 鼻歌混じりに…実に楽しそうな様子で手元のボウルの中のクリームを泡立てるのは…奇妙な異形の紳士…
 …ある者からは『千年伯爵』と呼ばれる存在…
 ―バタバタバタ…
 …次いでどこかから駆ける足音…
 「千年公ー!v」
 そう言って『彼』の背に一人の少女が飛び付く。
 「千年公v美味しそうだねvなに作ってるの?」
 千年伯爵に抱き付き少女が問う。
 「オヤvロードvこれはですネvアレンの誕生日プレゼントの準備でスvいろんなブッシュ・ド・ノエルを食べさせてあげようと思うのでスv」
 「そっかーvもう12月だもんねv…でも千年公?アレン今年帰ってくるの?」
 ―ガッチャン…
 …ロードの言葉に…千年伯爵はボウルを取り落とす…
 …幸い…テーブルからさほど離れていなかったので中身は無事だ…多少は零れたが…

 「ロードォ(T_T)」
 …震えながら振り向いた千年公の顔は涙で濡れていた…
 …あっ…もしかして…千年公…現実逃避してたんじゃ…
 「…や…やっぱりアレンは帰ってきてくれないんでしょうカ?v…でも誕生日ですヨ?v誕生日くらい家族で……それにあれから一年経ちましタv…きっとそろそろアレンも気が晴れて…」
 …うっわー…千年公…無理矢理笑ってる…と言うことはやっぱり…
 …でも…
 「…僕…『だからこそ』アレンは帰ってこないと思う…」
 …アレンが出て行っちゃったの…千年公の所為だし…僕も結構怒ってるんだよね…
 ―ブルブルブル…
 …千年公が震えてる…
 …なんか…まずいこと言っちゃったかな?
 …でも…ホントのことだし…
 「…こっ!こうしてはいられません!早くこのケーキを完成させてアレンの所に行かなけれバッ!v」
 そう叫んでまた物凄い勢いでクリームを泡立て始める。
 …でも…
 「せっ!千年公!チョット待って!」
 …たぶんそれだと逆効果…
 …絶対アレン帰ってきてくれない!
 …まあ…僕はこっそり会いに行くからいいんだけど…
 …でもできれば…
 「あのね千年公、アレンのとこには僕が行くよ、だから千年公はここでいっぱいアレンのためのお菓子作ってて!アレンもその方が喜ぶよ!」
 ―ピクリ
 …千年公が僅かにピクリとする…

 「…そうですネvお菓子が多ければ多いほどきっとアレンは喜んでくれますネv解りましタv我輩はアレンが帰ってくるまでここで作れる限りたくさんのお菓子を準備していましょウv」
 …そう言って千年伯爵は再びお菓子作りを再開した… 

                                            ―続く…かもしれない…―