―逃げるが勝ち―
「ほーっほっほっほ!」
…ゲッ…この声は…
遙か前方から…微かに聞こえた『その声』にあたしはげっそりとした…
…間違いない…『あれ』はナーガの高笑い…
…久し振りに聞くが…間違える筈がない…
…心底嫌だが…『あれ』は忘れようにも忘れられない…
「なあリナ…なんか変な声が…」
ガウリィが首を傾げ、不思議そうな顔でそう聞いてくる…
…やっぱりガウリィにも聞こえていたか…
あたしはそう思いつつも…
「シッ!静かにしてガウリィ!さっきの街道の分かれ道…いますぐ戻って反対の道に行くわよっ!」
小声でそう遮り、急いでその腕を掴みその場から駆けだす。
…そう…いまなら間に合うかも知れない…
…こっちに気付いていない可能性もある…
…ナーガの馬鹿笑いが近くで聞こえたのなら兎も角…
…いまのは結構距離があった…
…断言できる…エルフ並の耳を持つあたしと…色んな意味で常人離れしているガウリィだからこそ聞こえた程度の微かなもの…かなりの距離が開いてる…
…なら…逃げるに限る…
そう思ってあたしはガウリィの抗議も無視して、来た道を駆け戻った。
―終わり―
―後書き―
拍手どうも有り難うございます。『螺旋の館』管理人RINと申します。
今回のWeb拍手は久し振りにスレイヤーズです。
この話は原作の本編中でナーガが出てこなかった理由の1つとして想像して書いた捏造です。
それは兎も角少し遅くなりましたが、改めて…(コホン)
祝!スレイヤーズ第四期アニメ化決定!
ブログでとっくに書いていましたけど…どうしてももう一度書いておきたかったんです…
…アニメ化決定してから始めてのSSですし…
…ホントは仲良し四人組を書きたかったんですけど…ちょっと上手く纏まらなくて…
…結局…結構前に書きかけでほったらかしてたネタを引っ張り出して仕上げました…
…あー…でも…これって誰でも考えそうなネタだよね〜…考えてみたら…
―それではまたの機会に―RIN―
―では拍手どうも有り難うございました<(_ _)>
―HP再録作業時にナーガの高笑いがちょっと間違っていることに気付き修正…
―申し訳ありませんでした―RIN―