…まさかと思った…
…道行く人並みの中に垣間見た…
…彼の人の面影…
学校帰りの少女達がファーストフード店でお菓子を食べながら雑談している…そんなよくある光景…その中に見知った者の面影を持つ者を見出し、彼は己の心が揺れるのを感じた…
―アルバイトをしよう―(バレンタイン編1)
「確かアルバイトを探していましたよね、もう見つかりましたか?」
来たばかりのジュースを一口飲むと、少女は思いだした様に、目の前の少女に問い掛けた。
「まだ…ねぇ…もしかして探してくれたの?」
少女は瞳を輝かせてそう問い掛ける。
「いえ…そう言う訳では無いのですけど…実は昨日…叔父さんのお店に寄りましたらアルバイト募集の公告の準備してましたから…」
「えっ!それホント?確かあんたの叔父さんちってお菓子屋さんよね?あっ!そういえばもうすぐ二月!バレンタインね!」
「ええ、それで明日か明後日には広告出すって言ってましたから…いま行けば大丈夫だと思いますよ」
「それじゃあ…今日これから寄っても良い?」
言外に、勿論一緒に着いて来てくれるよねvと言っている。
少女は目前の少女に勿論そのつもりだと頷いていた。
楽しそうに談笑する少女達の様子を、少年は嬉しそうな、寂しい様な、そんな複雑そうな笑みを浮かべ見つめていた…
―数日後…可愛らしい内装のその店に、少年が一人ふらりとやって来た…
「いらっしゃいませv」
にっこりと可愛らしい制服を着たアルバイトの少女が微笑む…
店内に視線を向けると、棚には美味しそうなお菓子が沢山置かれている…
「うーむ…どれも美味そうじゃのぅ…」
少年は小さく誰にも聞こえない様にそう呟く…
「だが…結構生臭が混じっておるのう〜」
お菓子の原材料表示の所を見ながら、やはり小声で呟く。
そして数分後…彼なりに吟味したのだろう…取り敢えずはと、幾つかのお菓子を選び出し、レジへと向かった。
支払いを済ませると、彼はお菓子の入った包みを大切そうに抱え、いそいそと帰って行った…
―続く―
―あとがき―
えーと…諸事情により思いっきり遅くなってしまいました…バレンタイン編です…
申し訳ありませんでした<(_ _)>
しかも…なんか…また続いてしまいました…
えーと…少年・彼については分かる方にはお分かりになると思います…敢えて名前は出しませんでしたが…
それと少女(正確には女子高生…それも3年…)が二人出てきましたが彼女等については、一人はオリキャラです(モデルは特におりません…強いて言うならごく普通の女子高生…彼女はWD編の方でバイト仲間として登場しております、長期バイトの少女です。
そしてもう一方の少女(店長の姪にあたります)この少女に関しては実はモデルがいますと言うよりも…実は、生まれ変わりネタです…(あっ!バラしちゃった…)
それではまた次回<(_ _)>