茶色の髪に銀灰色の瞳の5・6才ほどの少年が町中を急ぎ足で駆け抜ける…

 「おらー!待てやー!」
 背後から響くのは複数の野太い怒声…

 ―少年は何人もの大人達に追いかけられていた…


 
―元帥師弟の口論と言う名のコミュニケーション― 


 ―バタン!
 その音にクロスが視線を向けると…後ろ手にドアを閉めた茶色の髪の子供が…ハアハアと荒い息をしていた…
 「しっかり撒いて来たんだろうなアレン」
 ニヤリと笑い…クロスは自身の弟子を見る…
 「酷いですよ師匠っ!僕だけ置いて逃げるなんてっ!」
 師の言葉にアレンは涙目ながらもキッと睨みつけ…
 「あの人達に借金したのは師匠じゃないですかっ!」
 抗議の声を上げる。
 「あ?お前オレの弟子だろ?アレン」
 椅子に優雅に腰掛けていたクロスが立ち上がり、ゆっくりとアレンに近付いて言う…
 「…そっ…そうですけどっ…」
 師の言葉に…アレンは…なんとなく嫌な予感を感じ…後退りながらも答えると…
 「それなら大人しく師匠の言うこと聞いてりゃ良いんだよっ!」
 そう言って…殴られた…
 「…酷い…師匠…大体師匠が教団の経費を使えば問題ないのにっ…なんで使わないんですかっ…」
 そう言って食ってかかるアレンに…
 「…うるせぇな…経費を使えば『奴ら』に居場所がバレちまうだろうがっ…『誰』の為に隠密行動してると思ってるっ」
 眉を顰めてクロスが言う…
 そのクロスの言葉に…アレンもまた眉をピクリと動かし…
 「…『隠密行動』?…知りませんでした…すっごく目立つ行動してましたから…僕…てっきりなんかの『任務』でワザと見付かろうとしてると思ってました…」
 アレンはジト目で睨み据え…嫌味を言う…
 「…言うようになったな…アレン…始めてあった時は実に可愛らしいお子様だったのに…」
 「…フッフッフ…誰の所為でしょうね〜」
 一瞬…アレンとクロスの間に火花が散り…

 ―そして今日も…実は一方的にアレンが怒鳴り…クロスに適当にあしらわれるだけの師弟の『喧嘩』が始まる…

                                            ―終わり― 

 ―後書き―
 予定より遅くなってしまいました、お待たせしてしまい申し訳ありませんRINです。
 灯様のリクにより書かせて頂きました。
 リク内容はDグレで『仮面をその身に纏う存在(もの)』シリーズの話ということでした。

 書き上がってから「あれ?この話ってもしかして『仮面〜』じゃなくてもいい?」とも思いましたが…師弟の会話内容やアレンくんの年齢や容姿などが『仮面〜』独特のモノなのでやっぱりこれは『仮面〜』です。…ってそう言ってもいいですよね?(…弱気な…)

 えー…何はともあれ灯様、取り敢えず『これ』を贈らせて頂きます。
 ご不満なようなら遠慮なく仰って下さい、時間は掛かるかも知れませんが書き直させて頂きます。

                             ―それではまたの機会に―RIN―