『エッジ…』
 「アレンッ!!」
 黒い大きな鉤爪を掲げ今まさに技を放とうとしていた小さな『白い道化』の肩がビクリと震え、恐る恐る振り返る。
 「あたしゃそんな大技使って良いなんて言って無いよっ!アレンっ!」
 小さな道化が振り返ると、そこには杖を突いた小柄な老婆が怒りも露わに立っていた。
 「ヒッ!」 
 怒鳴られた瞬間道化は身震いし、そしてその瞬間その『白い道化』の衣装が消え、茶色の髪の幼い…5・6才程の少年が現れる。
 「…ご…ごめんなさい…マザー…あの…つい…出来心で…」
 少年はビクビクしながらそう言いつつも頭を下げ、そしてチラリと老婆の顔を伺う。
 「ヒッ!ごめんなさいっ!」
 伺うとまたビクリと震え上がり、そして再度深々と頭を下げた。


 
―拾われ道化と教会の老婆―
              ―1―
 


 「…全く…お前ときたらっ…確かにここなら修業に使って構わないとは言ったよ!」
 そう言ってマザーが腕を振って指し示したのは荒れ果てた農地だった。

 「でもねぇ!」
 農地を指し示して言うとマザーはギラリとアレンを睨み付ける。
 「ヒッ!」
 アレンはマザーの鋭い眼光にそう声を上げ、ビクっと竦み上がる。

 「それは農作業しながらの『序で』だって言っておいたし」
 竦み上がるアレンにマザーはそう言って…
 
 ―そして「それに」と言い置いて…
 
 「目立つから大技は使っちゃ駄目だってクロスにも言われてた筈だよねぇ?確か?」
 そう睨み据えながら確認するように言うと…

 「今日のことはあいつが帰ってきたら報告するからねっ!」
 そう言い放った。

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 どうもRINですm(_ _)m
 遅くなってしまい申し訳ありません愛理様。
 この『拾われ道化と教会の老婆』は愛理様からのリクに基づき一応書かせて頂いたものです。
 遅くなった上に何故か長くなってしまい続いてしまいました申し訳ありません。
 取り敢えず書き上がりましたこの第一話をUPさせて頂きますが、もしご不満なようでしたらどうぞいつでも遠慮無く仰って下さい、時間は掛かるかも知れませんが、書き直しをさせて頂きます。

                             ―それではまたの機会に―RIN―