…それは木ノ葉が新たな『火影』を向かえ、暫く経ったある日の朝…


 
ジダイの担い手達 ―序―


 「…知っている者もいるだろうが…ついに『遺継』が『奥』を継いだ…」
 …そう重々しい口調で言ったのは…五代目火影・綱手姫…
 「…これは里の現状ゆえだが…」
 …綱手は微かに目を伏せて続ける…
 「…だが現在の状態は…恐らくは…以前とは比べ物にならぬ程の負担をあの子に強いているだろう…」
 …悲しげに…
 「…『下忍のうずまき』は自来也と共に旅に出ておることになってはおる…少しは動きやすかろうが…だが…」
 …小さく溜め息を吐いて…そう言ったのは…ご意見番の一人・うたたねコハル…
 「…だが…何れは…」
 …中忍試験を切っ掛けに、既にナルトの出生について騒ぎ始めている者達が、火の国にはいるという情報が入っていた…

 …あの中忍試験以降…良くも悪くも転換点となっていた…

 「…中忍試験…本戦はやはり早かったか…」
 「…しかし…仕方あるまい…あの時は本戦に出さぬわけにはいかなんだ…」
 「…確かにな…」
 …中忍試験が切っ掛けとなり、これから起こるだろう騒ぎを思い…ホムラとコハルは互いに嘆息を吐きながらぼやく…
 「…でも…そんな事言ってるけど…その本戦で随分あの子は認められたんだろう?」
 …そんな二人の様子に綱手が、起こってしまったことを何時までも言うなとばかりにそう告げる…
 「…まあ…」
 「…確かに…」
 …綱手の言葉に二人は頷き…
 「…幸い里人の反応は割と落ち着いておる…」
 「…まあ…その件に関しては…以前から何度か試してはいたが…」
 …そちらの話題に移ることにする。
 「…しかし『うずまき』の素性を証すのはまだ早かろう…」
 …少なくとも一般の里人にはまだ早いだろうと…
 …三人の意見は一致を見る…

                                       ―続く―