―とある高校の中庭で茶色の髪に青い瞳の少年がポツンと途方に暮れたような様子で立ち尽くしていた…
「…どうしよう…」
少年は…そう小さく呟く…
「……ここ…どこなんだろ……」
キョロキョロと辺りを見回し…
「…ここ学校なのに…なんで誰も通らないんだろう…」
…学校なら絶対人がいるから大丈夫だと思ったのに…どうして誰も通らないのか…そう考えて少年はちょっぴり泣きそうになる…
…そして…
「職員室ってどこですかー」
少年の半泣きの叫びが…誰もいない高校の中庭に谺した…
カレイドスコープ
―記録1―
―第1話―
―バタバタバタッ
「うっわー!やっべー!」
そう言って腕の時計を見つつ高校の渡り廊下を赤毛の学生服の少年が走っていた…
「…あのセンコー話が長いさ!このままだと遅刻しちまう…」
仕方ないと少年は口中で呟き…
「近道するさっ!」
そう言って手摺りを乗り越える…
…どうせここは中二階…おまけに下は芝生の中庭…
…おまけに授業が終わって本来なら結構経っている筈のこの時間なら…まず誰も通らない…
…問題ないさっ…そう考えて手摺りを乗り越えて少年はギョッとする…
「うわっ!?嘘っ!?アレンッ!?」
…中庭には…少年にとっては見慣れた…でもこの場所にはいない筈の茶髪の少年…(…何故ならこの学校の生徒ではないから…)
いきなり上から降ってきた…慌てたようなその声に茶髪の少年・アレンが声の方を振り仰ぐと…そこには…
「えっ!?ラビッ!?」
上から振ってくる見知った人物にアレンもまたギョッとし…
「わー!どいてさー!!」
「なんで上からラビが振ってくるんですかー!!?」
ふたりの叫びが中庭に再び谺したのだった…
―続く―
―あとがき―
どうも皆様RINです。
…この話は前々から書きたい書きたいと思って設定だけ用意していたDグレパラレルの1つです…
…RINは世界観原作準拠設定パラレルも好きですが、異世界パラレルや、仮想現代パラレルも好きで…パロディを書くまでにハマッた作品の場合…ついつい色々設定を考えてしまい…そのため設定だけ用意されている作品なんかも結構…この話もそんな1つになります…
…実際に書き上げてから『本館』入荷まで随分間があいてしまいました…(-_-;)
―それではまたの機会に―RIN―