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 ―ゼフィール奇譚―


 「…遅かったわね。バレン」
 王城を出ると門の所に、赤い旅装束を纏い、ロングソードを帯剣し、旅支度を調えた、アルテミスが腕を組んで立っていた…
 
 
 
奇蹟のパテェシィエ―10―


 「…よく言うよ…絶対ワザとだろ…」
 アルテミスを軽く睨め付け、バレヌゥスはぼやく。
 「…何か言った?バレン」
 涼やかな声に…しかし凄みを感じ…
 「…なんでもないよ!」
 …バレヌゥスは僅かに冷や汗を垂らし、そう言うしか無かった…
 
 「…でも…テミスなんで僕が?もうそろそろ彼女が帰ってくるんじゃなかったけ?」
 バレヌゥスはずっと疑問に思っていた事を問い掛ける…
 「…ああ…それがね…あの子予定が変わって、当分帰ってこれなくなったのよ…」
 小さく嘆息を吐きアルテミスは城の方を見て言う…
 「…え?…それって…まさか…」
 アルテミスの視線の先とその態度からバレヌゥスはその言わんとしている所を悟る…
 「…そう…そのまさかよ…」
 アルテミスは辛そうな表情で頷き…
 「…旅先のあの子へ『女王』から『勅命』が下ったのよ…だから…無理よ…」
 「…そうか…」
 「…次いでに言うと…他の連中もそれぞれの事情で無理だし…何より一番の適任者があんただったのよ…」

 「…だから…」

 「つべこべ言わず!さっさと行くわよ!!」
 そう言った、アルテミスに引きずられる様に…

 『彼』の『旅』は始まった!

 …その長く…そして辛い『旅』が…

                        ―奇蹟のパテェシィエ―第1章・完―
 ―あとがき―
 皆様こんばんは、RINですm(_ _)m
 ようやく『奇蹟のパテェシィエ』第1章終了致しました<(_ _)>
 …と言うわけで、兼ねてからの宣言通り、次ぐらいに『スレイヤーズのドキドキ!バレンタイン!』の連載を再開致したく思います。
 
                        ―それではまたの機会に―RIN―