…オレは…ホントはどうでも良かった…
…千年公の終焉のシナリオなんて…
…世界なんて…
…ただ…オレの大事な人達が…彼らが笑っていてくれれば…それで良かった…
―黒白羊の悪夢のハジマリ―
―序―
「…みんなのことは愛してる……」
ウェーブがかった黒髪の青年が切なげな表情で小さく呟く…
「…けれど…」
『彼』は『白い部屋』でただ一人…誰にともなく一人呟く。『白いピアノ』の前に立ち…
「…それでもオレは……」
物憂げな様子でそう呟いて鍵盤に触れ…そしてゴクリと唾を呑み込むと…髪の色が黒から茶色へと変わり髪質も癖の無い真っ直ぐなモノへと変わる。
「さよならだ」
キッと顔を上げてそう呟いた。
…一筋の涙を流して……
―続く―