…親父に入れと言われて、問答無用で放り込まれた暗部…

 …なんでそんなめんどくせーことをよりにもよってこのオレが…
 …そう思いながらも親父に指示された場所に向かった…
 
 …其処に着いた時オレが思った事…
 …それは…
 「…なんで…おまえらがいるんだよ…」
 …其処にいたのは…
 …前に2・3度会った、親父の知り合いの娘だという『いの』と…
 …つい最近ダチになったばかりのチョウジだった…

 
 
境界線―1―


 「あー!シカマルじゃなーい!どうしたのこんなところで!?」
 「あれ?シカマル?どうしたの?今日用があったんじゃないの?」

 …其処に着いたオレを見てのそれがそいつらの第一声だった…

 …まあ…チョウジもイノも…別にいたって奇妙(おかしく)はないだろう…
 …むしろチョウジはしょっちゅうココに来てる…
 …オレも最近はチョウジに連れられて良く来るようになった場所…
 …子供がいるのは全然おかしくない場所…
 …そうここは『駄菓子屋の前』…
 …親父がまず最初に行けと指示した場所…
 …なんで暗部に入るのに駄菓子屋なんだ?と正直思ったが…「行けば解る」と言われて『確かに』と思いここに来た…

 …正直この可能性は考えなかった訳じゃない…
 …こいつらじゃなくても…誰か知り合いに会う可能性は充分考えていた…
 …でも…
 …よりにもよってこいつらとは…
 …めんどくせえことになりそうだ…
 …アア…ホント…
 ボーゼンとするオレをよそに、イノとチョウジの二人はというと…
 「あんた?シカマルの知り合い?あたしはいの!山中いのっていうのー!あんたは?」
 「あっ…ボクはチョウジ、秋道チョウジ、シカマルとはこの前友達になったんだ!」
 …互いに顔を見合わせて…のんきに自己紹介なんかしてやがる…
 「…なんで…おまえらがいるんだよ…」
 「なっ!なんでって別にいいでしょー!シカマルこそなんでいるのよー!あんたがココに来るなんて、なんかすっごく変!」
 オレのぼやきを聞きつけてイノが言う、自覚があるだけにオレは反論できない…
 …こいつらに会ったからこそ思わず口にしてしまったぼやき…
 …それほど長い付き合いがあるわけではないが、それでもオレは解っていたから…
 …こいつらならオレがここに来ることに違和感を持ち、そんなに簡単には誤魔化されてはくれないだろうから…

                                   ―続く―