―現在は辛うじて戦時中では無いとは言え、魔物は出るし、盗賊は出る…
…一人で旅をするには適切とは言えないこの世界…
…たとえ街道であろうとも安全とは言い切れない…
…そんな中にも関わらず、草原を一人で踏破しようとする人物がいた…
祭りの前の賑わい ―序―
「…どうしよう…帰りたくない…でも…帰らなくちゃ…どうしよう…」
…顔面蒼白の年の頃は20前後のその青年はしきりに何事かをブツブツと呟いていた…
……青年の脳裏に国を出てくる時に、上司との会話が思い起こされる……
………………
『…赤月帝国皇帝には代々『覇王の紋章』が受け継がれていた、皇帝バルバロッサは倒れ、そして赤月帝国も滅んだ、黄金皇帝には後継者がいなかったと聞く、受け継ぐ者の無い『覇王の紋章』…紋章がどうなったのか?赤月…否…トランに向かい調べて来い』
…そう言って…命を下したのは…整った顔立ちの、ハルモニア神聖国の年若い神官将・ササライ…
『…解りましたササライ様、では早速トランに向かいます』
『…待ちなさいナッシュ』
…下された命を受け、その場を立ち去ろうとした、青年・ナッシュは、しかし命を下した当人である、ササライによって呼び止められ…
『…但し…今回は期限付きです、遅くとも半年…半年後までには戻って来る様に…良いですね』
…ササライにそう厳命されてナッシュは旅立った…
…現在はトラン共和国と言う、その国を目指して…
―続く―
―後書き―
皆様お久し振りです、RINですm(_ _)m
…アウ…ようやくUP出来ました…
…複合企画の幻水編・序話です。
この話は長編小説の棚に置いてある『伝説の行方』シリーズの番外編になります。
遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>
この話の続きはとある場所に隠されてのUPと言う事になる予定です。
…と言っても従来の隠し部屋ではありません…企画用に立ち上げた、まったく別の場所になる予定です。
…でもやっぱり隠すほどのモノじゃないです(アダルトな要素は一切ありません…と言うよりRINにそういうモノは期待しないで下さい…書けませんので…)隠す理由というか別部屋に置く理由はシリーズのネタバレが含まれているためと、企画仕様だからです。
―それではまたの機会に―RIN―