…じぶんのゆびをきりおとしたあのえくそしすとといい、このにんげんといいえくそしすとのかんがえはよくわからない…

 …なぜ…ここまでするのか…
 …ゆびをきりおとすのもだが…じぶんごとこうげきするなんて…

 そう思って言った言葉に…

 ―「これは邪悪なモノだけを斬る退魔の剣だ」「ノアやアクマにしか効かない」―

 目の前のエクソシストはそう言った…

 ―だが…
 そう言った直後エクソシストの様子が変わった…
 目を見開いて驚くエクソシストは…血を吐き血管を浮き上がらせて苦しむ…
 その様子はまるで…

 …ぼくとおなじ…

 ―「じゃあくなものだけを……?」―
 …アクマをいのせんすにするそんなはんそくないのせんすがあるのなら…あるいは『それ』もほんとうかもしれない…
 …でも…
 ―「なにをいってるのでしょう」―
 …『それ』がほんとうならば…
 ―「じゃあ おまえは なぜ くるしんでいる」―
 …なぜ…ぼくとおなじようにくるしんでいる…?…
 …えくそしすとのおまえが…?…
 …にんげんなのに…
 
 目の前で苦しむそのエクソシストにそう自らの疑問をぶつけた次の瞬間…
 エクソシストがより一層苦しみ出す…
 止め処ない叫びを上げて…
 その様子は…最早自分と同じどころか…

 …ぼくいじょうにくるしんでいる…
 …なんどぼくがこうげきしても…
 …ういるすをうけてもぜんぜんへいきなかおをしていたこのにんげんが…
 …いのせんすのこうげきで…ぼくいじょうに…
 
 ―「邪悪なモノだけを…」…
 不意に脳裏に過ぎるさっきのエクソシストの言葉…
 まるで恰も目の前の『人間』は『人間』ではなく…アクマ以上に邪悪な『何か』だと…そうイノセンスが断罪しているようにも見えるその『光景』に…

 …なんなんだ…?…いったい…このにんげんは…?…

 そうレベル4は疑問を抱く…

 ―「わけの…わからないやつ…」―
 
 ―抱きつつも…兎に角『これ』は絶好のチャンスだと…そう思い…

 ―「きえちゃえ」―
 そう言った…
 そう言ってエネルギーを溜め始めた… 

                                  ―続く?―