―「きえちゃえ」―
 そう言ってエネルギーを溜め始めた…一撃でこの『人間』の頭を吹き飛ばす為に…

 …でも…
 次の瞬間レベル4は固まる…目を見開いて…

 ―レベル4へと静かに延ばされる手…
 その手が優しくレベル4の顔を撫でる…

 ―そして『その手』の主は奇妙に微笑う…
 弧を描く口唇…薄く開かれた瞳…
 その笑みは妖しく…どこか禍々しく…
 まるで『何か』を嘲笑うような…

 ―そは『神』を冒涜する『魔性』の笑み…

 ―レベル4の…アクマ達の…主たる存在(モノ)の笑み…

 妖しいその笑みを浮かべ…『彼』はレベル4を見つめて言う…

 ―『オ』『ハ』『ヨウ』と…
 その口唇の動きだけで…
 声に出さず…その音は口中で留めて…

 ―そしてその刹那レベル4は見る…
 彼の存在(モノ)のその『真の姿』を…

 ―『覚醒』のその瞬間を…

 ―沸き上がるは歓喜と畏怖…

 ―瞬間忘れる…『今』が『どういう状況』なのか…

 そして加えられる背後からの攻撃…
 その『相手』を冷ややかに見据える…目の前の『ノア』…

 ―直後聞こえたエクソシストの訳の分からない『怒鳴り声』…

 ―「バカモヤシ!!」―
 なんの意味もないと思われた『それ』…
 しかし『それ』が聞こえた次の瞬間…明確な変化が起こる…

 ―目の前の主に…

 ―レベル4の頬に添えられていたその手が離れ…そしてその直後に起こったことは…レベル4にとって完全に予想外のことだった…

                                  ―続く?―