―『オ』『ハ』『ヨウ』―
 そう口唇の動きのみで音にせずに『オレ』は言う…
 
 ―ザラ…と崩れゆき…剥がれてゆきて暴かれる…

 …そう…暴かれる…暴かれる…
 …哀れな『幼子(アレン)』の『正体』が…
 …見ないフリをしていたその『正体』が…
 …皮肉にも…その自らの『武器(イノセンス)』によって…
 …暴かれ…思い知らされる…

 ―…嗤う…嗤う…

 愚かで哀れな『道化の子供(アレン)』…
 『孤独』を恐れ…『道化(マナ)』の『仮面』を着け続けた…愚かな『道化(アレン)』…
 『白い道化(クラウン)』のフリをした『愚かな道化(オーギュスト)』…

 ―…早く『気付け』と…『オレ』は『嗤う』…
 
 ―醒める永き『眠り』…解き放たれる『縛め』…
 『偽り』の『衣』を脱ぎ捨てるが如く…『存在』そのものが『変わりゆく』…

 …早く『気付け』…『お前(アレン)』は『捨て子』の『フリ』をしていただけ…
 …『ノア(14番目)』が『人の子』の『フリ』をしていただけ…

 …千年公に気付かれる…その前に…

 …早く覚醒(気付)けと…その身の内で…『アレン(オレ)』を嗤う…

 ―『覚醒』の瞬間をその目にし…その『僥倖』に…『歓喜』と『畏怖』に打ち震える…目の前のアクマ(レベル4)を…
 『14番目(オレ)』であるという事にまでは、気付いていない『そいつ』を『破壊』し…口を封じて…稼いだ『時間』…

 …その間に…早く覚醒(気付)けと…『アレン(オレ)』に囁く…

                                       ―続く?―