―「「アレン」!」―
 唐突に聞こえた『その声』…『僕』を呼ぶ懐かしくも愛しい『ソレ』…

 …『嫌な夢』だと…思ってた…早く醒めろと…でも…

 ―「そんなトコで 何刺さってるんですか 「アレン」てばっ」―
 聞こえた『声』に顔を上げれば『其処』には…

 ―僕は目を瞠る…
 …だって『其処』にいるのは『あの日』と同じ…

 ―「ほらほら「アレ●」はやくッ」―
 笑いながらぴょんぴょんと飛び跳ねて…
 ―「お客が 待ってます」―
 …まるで『いつも』と『同じ』ように…『全部』が『嘘』だったように笑う…

 ―《マ》―
 ―《ナ?》―

 『ピエロ(マナ)』の『姿』…

 ―頬が紅く染まるのが分かる…

 …だってマナがいる…

 ―「ずっと 待ってたんですよ 「ア●●」!」―
 笑顔を浮かべ『マナ』は手を伸ばす…

 …笑って『僕』を呼んでる…

 ―「ほら〜〜っ」― 
 ―(わらってる スゴイわらってる)―

 ―笑って『僕』を呼んで手を伸ばす『マナ』…それが『僕』は嬉しくて『ドキドキ』して…

 ―《前言撤回》―
 
 ―『僕』は伸ばす…差し伸べられる『マナ』の手に…『僕』の手を…

 ―《いい夢だ》―
 そう思う『アレン』の『手』が『マナ』の『手』へと重なろうとした時…『アレン』の『手』が…『姿』が…幼い『ソレ』へと変わる…

 …そして幼い『アレン』を連れ…『マナ』は瓦礫だらけの廃墟の都市(まち)を駆ける。
 
 ―「急げ 急げ「●●●」〜〜っ」― 
 たたたーと幼い『アレン』の手を引いて走る『マナ』…
 しかし『マナ』の口から呼ばれる『名前』は『アレン』の『名』では無く…
 ―「ちょっ おいマナっ」―
 『それ』に気付いた『アレン』が『マナ』を呼ぶ…

 ―[僕は「●●●」じゃないよ アレンてちゃんと呼んでよ]―
 アレンはマナに訴える…

 ―【呼ンデ】―
 どこか遠い『意識』で…

                                       ―続く?―