―『大切な話しがある』…そう言って千年伯爵は覚醒しているノア達を全て集めた…

 「………………」
 しかし集めた当人はどこか哀しげな表情(かお)で無言を貫いている…

 そんな伯爵の様子に痺れを切らしたのは、伯爵に指示され、皆を呼び集めたロード…
 「……ねぇ…千年公…そろそろ…」
 彼女は…哀しげに涙を流していた『伯爵』の姿を見ていたからこそ…『彼』が『真実(ほんとう』に哀しんでいるのだと気付き…そんな伯爵を放っておけず、そう促したのだ。
 
 「……ロード…v…そうですネ…v…いつまでもこうしていても仕方ありませんし…話さない訳にはいきませんからネ…v…」
 ロードの言葉に伯爵はそう頷き…
 「…『話し』と言うのはですネ…v…『14番目』のことデス…v…」
 そう続ける。

 「…『14番目』?『14番目』がどうかしたの…?…」
 伯爵の『言葉』にロードは疑問を抱く…

 ―…『14番目』の事で千年公が哀しむのは解る…けれど…何故いまこれほど哀しそうに…何故いま改まって『話しがある』などと言うのかと… 

 「…ロード…『アレン・ウォーカー』は…「『14番目』が残した『奏者ノ資格』」ではありませんでしタ…v…」
 疑問に思っていた所に伯爵が告げた『言葉』に…
 『なっ!』
 ノア達がざわめき、ある者は目を見開き、またある者は立ち上がり…
 「…でも主人(あるじ)っ…!…確かに私はっ…!…」
 そして『アレン』が『奏者ノ資格』であるとその『情報』を『黒の教団』に潜入し得てきたルル・ベルが蒼白になってそう言うと…
 「…ルルv落ち着いて下さイv…我輩は何も『アレン・ウォーカー』が『奏者』で無いと言ったのではありませン…v…」
 伯爵はルル・ベルを落ち着かせようと彼女ににっこりと微笑みかけてそう言い…
 「……どういうこと…?…千年公…じゃあアレンは…」
 その伯爵の『言葉』の矛盾に今度は眉を顰めてロードが問う…
 「…『アレン・ウォーカー』は「『14番目』が残した『奏者ノ資格』」では無く…『14番目』本人でしタ…v…」
 ロードの問いに伯爵は憂い顔でそう言って…
 「……『14番目』は…『生きていた』のでス…v…」
 …そう続けた。
                                       ―続く?―