「…どう言う…こと…?…」
 千年公の『言葉』に僕は『嫌な予感』を感じながらそう問う…

 ―…『14番目』…『あの男』そうワザワザ千年公が言い直した事が気になった…

 …確かにこれまでは『14番目』と言えば『彼』しかいなかった…けれど『アレン』が『14番目』ならば…確かに呼び分けるのも解る。
 
 …解るけど…でも…なんで千年公はいま敢えて…?…
 …なんで…何が気になっているの…?…

 …『アレン』は確かに『14番目』かも知れない…けれど…『彼』とは……
 そこまで考えてフッと思い…
 …まさか…
 そう考えて首を振る…
 …だって…『彼』は死んだ…千年公が…確かに…
 そこまで考えた時…

 「……我輩に…AKUMA越しに呼び掛けて来ましタv…ですがその後は特に…『アレン・ウォーカー』が『14番目(ノア)』として『覚醒』していて、そして我輩を呼んだのなら『戻ってくる』なりなんなりする筈でスv…少なくともいつまでも『教団』にはいない筈でスv…とすると…」
 耳に飛び込んできた、千年公のその『言葉』に目を見開く。
 「アレンは覚醒したわけじゃ無いってこと!?」
 そう言って僕は驚き机を叩き立ち上がる。
 「…覚醒自体は…始まっていると思いますヨv…ですが…いまだエクソシストを続けていル…v…『教団側』も『アレン・ウォーカー』をエクソシストとして扱っていル…v…としたら…表面的には覚醒の兆候すらみられていなイv…『アレン・ウォーカー』にはイノセンスが取り憑いていますから…もしかしたら『覚醒』に時間が掛かっていると言う可能性もありますが…それならば我輩に呼び掛けてはこないでしょウ…v…」
 …まさか…まさか…まさか…
 千年公の『言葉』に…僕の脳内でリピートされるその『言葉』…
 「…千年公…まさか…『14番目』は…」
 「…『アレン・ウォーカー』には…もしかしたら『自覚』はないのかも知れなイ…v…ですが呼び掛けてきた『彼』は『ノア』でスv…『ノア』でなければあのような真似はしないし、出来ませン!v」
 「まさか」…そう目を見開いて問おうとした僕に千年公が頷いてそう断言する。
 「…えっと千年公…どういう意味ッスか?…少年が無自覚で…だけど…えっと無自覚で呼び掛けたって事ッスか?」
 「…それこそ「まさか」ですヨv無自覚で呼び掛けたりなんて出来ませンv『あれ』は確固たる意志があって行ったのでスv」
 千年公の『言葉』に目を見開いて混乱しつつも問うたティッキーの言葉に、千年公は「まさか」と言って首を横に振ってそう言った。

                                       ―続く―