…頭がボーっとする。どうしたんだろう…?…此処は何処で…僕は…何をしてたんだろう…?…
朧で霞がかった様な曖昧な意識で…僕は其処にいた。
―「狂ッテル」―
すると不意に…『その声』が聴こえた。
『何処かで聴いたことがあるような…?…』そう思いながら、重い瞼を上げて、そして『その声』がした方を向いた…(と言っても『その声』は前方からしたようだったので、結局顔を上げ前を見ただけだったのだけど…)
そうして僕が顔を上げると其処には人影が見えた。
そして『その人影』がハッキリと見える前に、『その相手』はもう一度言った。
―「千年伯爵ハ狂ッテル」「スベテヲ忘却シ」「破壊人形トナリ果テタ」―
何処か静かで哀しげな『その言葉』と、そして思い掛けない『その内容』に僕が『え?』と思っていると、近付いてきた『その声の主』が僕のすぐ前まで来て、哀しげな眼差しで僕を見遣ると…
―「ソシテ「アレン」オマエモ」「狂ッタ人形ニナッテシマッタ」―
静かに…何処か残念そうにそう言った。
―続く?―