―最初は単なる好奇心だった…


 
―ラーズグリーズの出会い―
              ―1―
  


 …戦っていたエクソシストの一人が…仲間(アクマ)の一体に撃たれ崖から落ちた…
 …アクマに撃たれたのだから『そいつ』はすぐに砕け散るだろうと思った…
 …だが『そいつ』は砕けず、奇妙なことに巨大化した『左手』…(…恐らくあれがあいつのイノセンスなのだろう…)で崖に掴まり這い上がろうとした…
 …自分がそれを目撃したのはまったくの偶然で…単に自分のいた位置が、落ちる『そいつ』が見える位置だったからこそ…『毒(ウイルス)』の浸食が引くその瞬間を見ることになったのだが…
 …その時見えた『モノ』が『自分』の『好奇心』を『刺激』した…

 …そして…
 …だからなのだろう…
 …あんな行動に出たのは…

 …崖はエクソシストが思う以上に脆かった…
 …掴まろうとした『其処』はあっさり砕け…
 …仲間(アクマ)の攻撃もあって、崖下に落ちていった…
 …ふと…落ちていった『あいつ』がどうなったのか気になった…
 …様子を見に行くことにした…
 …行ってみると…『其処』には…再び『毒』の浸食が引いていく、気を失った白髪の『少年』の姿があった…
 …額には先程見えた『モノ』…『ペンタクル』…『アクマ』の『印(マーク)』…
 …何故『エクソシスト』である『この少年』に『これ』があるのか?
 …無性に気になった…

 …だから…『少年』を『自分』の『家』に連れて帰った…

                                            ―続く―