『港に着くぞー!!』
 …どこからか聞こえたその声に、ハッとした様に船室にいた一人の女性が顔を上げる…
 「…いけない!いつの間にか寝ちゃってた…」
 …そう言って目を擦るその女性は、ただの旅人とは異なる、しかし冒険者とも言えぬ、奇妙な服装と何処か不可思議な杖を持っていた…
 
 
 袖すり合うも… ―序―


 「…うわー!大きな街!ここがメッテルブルグ、フィンディン王国の首都…なんか同じ首都でもザールブルグとはやっぱり違うわね…」
 …船から下り…港から街を見回して彼女は思う…
 (…ケントニスからザールグルグについた時にもやっぱり同じ事思ったっけ…当たり前なんだけどね…でも…)
 …何処か遠くを見つめ…感慨深げな様子で…
 「…イングリド…ヘルミーナ…ドルニエ先生……みんな元気かなー…アカデミーは……」
 …ポツリポツリと呟いて…そして小さく吐息し思う…
 (…フウ…ホームシックかなー…)
 …僅かに俯いて…
 …しかしすぐに頭を振って顔を上げ…
 「…コラッ!元気を出せ!あなたはなんの為に旅に出たの!リリー!」
 …声を出して自分自身に気合いを入れた…

                                  ―続く―

 ―後書き― 
 皆様どうもRINですm(_ _)m
 ようやく複合企画その3アトリエシリーズ編序話を書き上げることが出来ました!
 …遅くなってしまい申し訳ありません<(_ _)>
 この話は長編小説の棚に置いてある『探求の旅路』シリーズの番外編になります。
 
この話の続きはとある場所に隠されてのUPと言う事になる予定です。
 …と言っても従来の隠し部屋ではありません…企画用に立ち上げた、まったく別の場所になる予定です。
 …でもやっぱり隠すほどのモノじゃないです(アダルトな要素は一切ありません…と言うよりRINにそういうモノは期待しないで下さい…書けませんので…)隠す理由というか別部屋に置く理由はシリーズのネタバレが含まれているためと、企画仕様だからです。

                        ―それではまたの機会に―RIN―