気がのらねえ。 その一言に限る。 +夜闇と共に+ 「任務がえりで悪いがの」 「悪いと思うなら帰らせろ」 火影の執務室。 二つの影。 一つは座り、一つは窓から出ようとしている。 「まあ待て」 「いやだ」 「火影命令」 「職権乱用」 「なんとでも言え」 三代目火影の勝利。 いくら自分の方が実力的には勝っていようと敵わない人というものはいるわけで。 ナルトにとっては三代目火影がそれに当たる。 「明日、里の旧家の子を狙って抜け忍が襲ってくるとの情報が入った。 恐らく霧・・・もしくは雨隠れ辺りじゃろう」 「ふーん・・・」 情報の不確かさ。 その情報を手に入れた忍びは、死んだのだろう。 忍びとは、そういうもの。 無駄にはしないと。 「護衛、頼む。これからが大切な子達じゃ」 「御意」 そしてその場には火影が残る。 月の綺麗な、夜だった。 次の日の、朝。 いつも着ている服の下に、暗部服を着る。 そして一式の忍具をいたる所にしのばせる。 鏡の前でいつもの笑顔を作り、笑えてる事を確認すると、 ナルトは自分の家を出た。 「サックラちゃーん!おはようってばよ!!」 いつもと同じ笑顔で。 演技力には自信がある。 「ナルト。おはよ」 ナルトが最後に来たらしく、サクラはサスケとすでに挨拶は済ませたようだった。 つまらない体力を使う暇が省けた、とナルトはそっと安堵の息をはく。 そろそろストレスがやばい状況になってきている。 「ふん。ドベはいつも余計に元気だな」 「うっせー!!ドベっていうなってば!」 いちいちこの甘えんぼのおぼっちゃんの相手をしてやるのも疲れた。 一族皆死んでそんなに寂しいのか? 「カカシセンセーは・・・まだだってばね」 いつものこと。 あたりまえすぎて涙が出て来る。 今ごろ慰霊碑の前でボーっとしてるだろうカカシの姿を思い浮かべる。 エリート忍者だかなんだか知らないがそんなに目立ってどうするのかと思う。 ガイにしても、忍者にとって名を馳せるという事は名誉とは違う事を分かっているのだろうか。 忍者にとってそんなものは邪魔になるだけだ。 「おはよう、皆。昨日猫の集会に参加していたら寝坊してしまって・・・」 「「はい、ウソ!!」」 毎回恒例。 どこかの箱入り娘さんと声を合わせる。 サスケは隣でふん、と鼻を鳴らす。 「カカシセンセー!!忍者失格だってばよ!!」 色々な意味で。 言外にそう告げる。 カカシが気付くわけはないが。 「あ、そうそう今日は新米下忍三班の合同演習だから」 ポン、と手をたたきそう告げる上忍・カカシ。 向けられる三つの視線には殺気がこめられる。 「そういうことは早く言ってよね、カカシ先生!!」 「このエセ上忍が・・・」 「忍者失格だってば!!」 三者三様、それぞれ文句を言う。 「サスケくーん!」 「あっこらいのぶたー!サスケくんから離れなさーい!!」 どこから現れたのかいのがサスケに抱きつく。 といってもナルトは気付いていたが。 「あんまり遅いから迎えに来たわー!」 「おいいの、ちょっとは大人しく出来ねーのか」 いのの後ろから現れたシカマル。 べり、といのをサスケから剥すと自分の後ろにぽいと投げる。 だがいのはクル、と綺麗に一回転するとストンと綺麗に着地する。 「ちょっとシカマルー?なにすんのよー!!」 叫ぶいのを尻目にシカマルはナルトたちに向かって話し掛ける。 「めんどくせーけどあんまりおせーから迎えに来たぜ」 「全部!カカシセンセーのせいだってば!!」 それから皆が待っている場所へ移動し。 カカシは森の熊さんことアスマからこっ酷くお叱りを受けた。 その間に紅が演習の話を進める。 「三人一組で実戦演習をしてもらうわ。 三人一組といっても今のあなた達のスリーマンセルじゃなくて、新しくくじで決めるわ。 任務では顔も知らない忍びとチームを組む事もあります。そういうときに、戸惑わないように」 この説明にいのとサクラはサスケくんと同じ班になる! と気合を入れていた。 「くじはこっちで作っておいたからこれを引いて」 A班・・・ナルト・キバ・サクラ B班・・・サスケ・いの・シノ C班・・・シカマル・チョウジ・ヒナタ 「サスケくんと同じがよかったのにー・・・」 「サックラちゃーん!おれがいるってばよ!」 「足引っ張るんじゃねーぞ、ナルト!」 「キャンキャン!」 「・・・・・」 「サスケくーん!がんばりましょー!!(何でナルトと一緒じゃないのー!!??)」 「・・・・・」 「あー・・・オレ達もしかしたら一番弱ぇ?」 「そーかもね」 「・・・あの・・・」 ++++++ RIN様へ! 続きます、一応。 返品可能ですので! 続きはできるだけ早く書きます! 04/08/06