―コンコン…コンコン…

 ………………
 『彼』の『部屋』の扉をノックした。返ってきたのは沈黙…『部屋の主』である『人物』はロードが訪ねて無視する事など有り得ない。
 
 …と言うことは…

 「……いないの…?…」

 ―いま『彼』が『家』にいないと云うこと…

 「…どこに行っちゃったんだろ…?…」
 そう思案するようにロードは呟き…
 「……もしかしてっ…!…」
 暫し考えてハッとして呟き…
 「…また『白い方』になってるんじゃ…!…」
 そう言うとロードは慌てて踵を返しもと来た方向へと駆けて行った。 


 
―唯一の『ヒト』―
         ―1―
  


 「……やっぱり…何処にもいない…」
 「…なんだ?誰か捜してんのか…?…」
 部屋に入ってくるなりロードはボソリと呟いた。部屋でトランプのカードを繰って手元で玩んでいたティキは、突然入って来て不機嫌そうにそう呟いた長子の言葉に恐る恐る問い掛ける。
 …正直…こんな不機嫌そうな彼女に話し掛けるのはティキとしては結構な勇気が要ったが…なんの反応も示さなければ彼女の不興を買ってしまうと思って…

 「…ティッキー…千年公かレロ知らない?」
 問われてその言葉に「なんだいつものことか」とホッと思いながらティキは記憶を探る。
 …そう言えば…どこかに出掛けると言っていたような…そう思い返して…そう告げて…

 「…どこだっけ…?…なんか誰かに会いに行くって言ってたような…」
 ティキがそう続けると…
 「…『誰か?』…『誰か』って誰っ!?ティッキーッ!!」
 凄い勢いでロードはティキに問い返し…
 「…あっ…えっとー…ちょっと待て…思い出すから…なんか…珍しい相手だったような…」
 ティキはそのロードの勢いにタジタジになりながらそう言って慌てつつも再び記憶を探る…
 「ティッキー!もしかしてエクソシストじゃない!?それって!」
 「…あ…ああ…そう言えば…」
 ロードの凄まじい勢いのその問いでティキは今度こそしっかりと思い出し…しかしそのロードの勢いに圧されて及び腰になりながら「ああ」と頷き…

 「…確か…アレン…なんとかって言う白髪のエクソシストがどうとかって…」
 言ってたような…と最後は途切れて口中で消えたが、そう告げた。

                                  ―続く―

 ―あとがき―
 どうもRINですm(_ _)m
 この【唯一の『ヒト』】はアマリリス様からのリクエストに基づき一応書かせて頂いたモノです。
 …何故か続いてしまった挙げ句…ティッキーが出てアレンが出ていない…と言う話になってしまいましたが…2話目以降ではちゃんと出てくると思います、申し訳ありません。
 
 …それで取り敢えずこの唯一の『ヒト』をアマリリス様へのリク小説として捧げさせて頂きたく思います。ご不満なようなら仰って頂ければ、いつでも書き直しをさせて頂くので、どうぞ遠慮無く仰って下さい。

 ※リク内容の詳細については最終話『あとがき』に書かせて頂こうと思います。

                        ―それではまたの機会に―RIN―