―「伯爵ぅぅぅ!!!」―
 …そう叫び…斬りかかってきたのはアレン・ウォーカー…
 ―「我輩の剣…!?」―
 最初に驚いたのは…その手に持っていた『剣』…
 …何故…アレン・ウォーカーが『ソレ』を持っているのか?
 …しかし次の瞬間にその疑問も吹っ飛んだ…
 アレン・ウォーカー自身を見た瞬間に…


 
―『憎悪』の『闇―
         ―2―
 

 
 ―「!」―
 …強い憎しみと殺意に満ちた、表情(かお)と瞳(め)…
 …禍々しい程の『ソレ』と…そして…かってと質こそ違えども極上の…強力な『闇』…
 …本当に…これが人間…それもエクソシストが持ち得るものなのかと疑うほどの…
 …先程までは…一欠片も感じなかったにも関わらず… 

 …「…だってアレンねぇ…『自分』で『闇』を『種』を抑え込んでるんだもんv」…
 思い出されるのはロードの言葉…
 …「くすくす…だからねぇ?千年公v前に千年公が言ってたアレンの『種』が消えてた、『闇』が感じられなかったって言う…『あの話』…アレンはただ単に普段は『闇』を抑えてるだけで…その所為で感じられなかっただけで…本当は消えてなかったんだよv」…
 実に楽しそうに笑って言っていたあの時の…
…「そっv信じ難いけど…千年公が言った通りの『極上』の『闇』を内側に抱え込んで…その『闇』に『種』があれだけ『根』を張って、半ば以上『同化』してるのに…千年公が『種』に残した『声』まで聞こえてたみたいだったのに…それでも『正気』を保って抗ってたよ」…
 …その言葉の通りに…『目の前』のアレン・ウォーカーの『闇』に『種』はしっかりと『根』を張り…

 …これハvなかなか面白イv…
 …このような状況で尚『正気』を保っていたト?v
 …しかもこの『闇』から感じ取ることの出来る『強力』な『魔力』v…
 …エクソシストだからでしょうカ?v
 …常人であればこれほどの『魔力』を『種』が持つことは有り得なイv…
 …なにしろ…ここまで『魔力』が高まる前に…脆い人間は耐えられずに死んでしまいますからネェ?v…
 …なんにせよ…これはなかなか貴重な例ですネv…
 …いったい何故こんなことが起こり得たのカ?v…

 …なるほど…ロードが興味を持つのも解りまスv…
 …試してみましょうかネェ?vもう一度v…
 …残響とはいエv…すでに我輩の『声』しか聴こえぬ状態のようですシv…

 …それニv…あの子供を手に入れれば『あの男』も再び呼び戻せまスv…
 …そうすれバv…今度は逃がしませンv…
 …必ず『あの子』の居場所を聞き出して見せまスv…

 …こんな形で『あの子供』を手に入れられるとハv嬉しい誤算ですネェv…

 …『手』に入れますよ…アレン・ウォーカーv…
 …そもそもお前は元々三年前に我輩と契約を結んでいるのですかラv…

 ―ニィv

 …もう一度v…更に吹き込みますヨv…
 …我輩の『声』ヲv…我輩の『魔力』ヲv…

 …そうすれバv…お前は今度こそ我輩のモノv…

 …今度こソv…逃がしませんヨv『アレンくん』v…

                                            ―続く―