…仮初めとはいえ…『封印』の解けた…その『姿』は…『白い道化(クラウン)』…

 …『アレン』の『本来』の『姿』に…最も近い…状態…

 …『現在(いま)』の『アレン』が…『力』を『封印』した『状態』で…最も…『力』を振るえる『状態』…

 …それが…この『段階制限発動―Lv3』…『神ノ道化(クラウン・クラウン)』の仮発動…

 
 
…ディスティニー…
         ―マテール編―
               ―20―
 


 ―ドガドガドガーンッ!!!!!

 ―ガッ!ガガガガガーンッ!!!!!

 「…な…なんだ…この…音は…」
 ―何かが壊れ…崩れるような音と大きな振動に神田は眉を顰める…

 …誰かが…あのアクマと戦ってやがるのか?
 …リナリーか?それともあのモヤシか?
 …どちらにせよあのアクマの能力は思った以上に厄介だ…
 
 「…く…そ…」
 …視界が…霞む…
 …こん…な…所…で…倒れて…る…場合…じゃ……

 ………………

 「!神田っ!」
 …この声…あの…
 「…モ…ヤ…シ…」
 …か…
 「ムッ!アレンです!」
 …こいつが…ここにいるってことは…
 …アクマは…どうなった…
 …あれは…リナリーか?…
 「…アクマの事はもう心配ありません!戦いは終わりました!ここにはもうアクマはいない!安心して下さい!」
 …終わった?…と言うことはこいつが倒したのか?…だがなんでこいつはもういないなんて断言できるんだ?
 「…僕は『左目』に掛けた『呪い(まじない)』の『力』で『アクマ』を見分ける事が出来るんです…」
 …俺の疑問が伝わったのか…それとももしかしたら声に出ていたのか…モヤシはそう言う。
 「…いま『マナ』に…僕のゴーレムにレディーリナリー達を捜しに行って貰っています…だからすぐに合流できると思いますよ」
 ……そ…う…か……

 「え!?神田っ!?神田っ!?」
 …ガクガクと揺すってみる…
 …気を失ったのか…
 …なんだ…焦って損した…
 …って…なんで僕…こんなヤツどうでもいい筈なのに…
 …………あっ!…
 …そうか…そうだよな…いくらなんでも殺すのは…師匠とレディリナリーに悪いってそう思ったから…
 …だから殺すなって命令したのに…結果的に死んでたら意味ないから…
 …あー…びっくりした…

                                            ―続く―

 ―あとがき―
 どうも皆様RINです。
 『…ディスティニー…』マテール編第20話という大台に入りました…
 …当初はこんなに長くなる予定じゃなかったんですけど…なんでこんなに長くなったのか…
 …『下書き』の準備段階のものとは言え『咎落ち編』なんて…13話かそこらなのに…(注・下書きなのであくまで予定です…1話か2話の変動は有り得ます…)
 …でもアクマの件が片付きましたのであともうちょっとだとは思いますけど…(…そんなこと言っておいて30話の大台にいったらどうしよう…)
 …ララに会うところまでまだ書けてないですから、なんかの間違いでってことも……
 …有り得ないことも無い…タラリ…(冷や汗)

 …さて…今回アレンくんは『神ノ道化(クラウン・クラウン)』で大暴れいたしました…と言っても…戦闘したわけじゃなく…それっぽく暴れただけの偽装の為の破壊工作…そんなの取り立てて書くほどでも無いですし…(…書き出すとまた長くなるので流石に省きました…)今回は殆ど意識失い掛けの神田視点です…
 …以前も書きましたが…段階制限発動Lv3と言うのは『神ノ道化(クラウン・クラウン)』の初期の状態です…と言うわけで『退魔の剣』は使えません…『剣』は『封印』を解いて初めて使えるようになります。
 …ちなみにこのアレンくんはホントは何気に神田のことも気に入ってます…単に自覚してないだけで…
 …ほら?ホントは好意を持っていてもなんとなくそりが合わないとか…絶対(好意を持っていると言うことを)認めたくないとか…そんな風に思う関係…あれです…(ってそれだけだと普通にアレンくんと神田の関係っぽい気もしますけど…このアレンくんはもっと強情で絶対神田個人を心配してるなんて認めません)
 …このアレンくんにとっては神田は初めて出来た喧嘩友達です…
 …だから第10話でアレンくんと神田の喧嘩を楽しそうだと評したリナリーは、別にリナリーの目がおかしいのではないと言うわけです…
 …ただアレンくん(と神田)は絶対認めないでしょうけど…(…第10話でなく何故この話の『後書き』で書くのかについては…マナとのやりとりとか…この話での神田を心配するシーンとかを書いてからまとめて書こうと思っていたからです…)

                                  ―それではまたの機会に―RIN―