…アクマが『扉』を潜ったのを見送った後…
 …『僕』は『扉』を消して…

 …そして…

 …『イノセンス』を『発動』した。

 
 
…ディスティニー…
         ―マテール編―
               ―19―
  


 …ブツブツ…と小さな声で…アレンは呪文を唱えていた…
 …それは…旧い…旧い…太古の『言葉』…

 …いまはもう…知っている者の方が少ない…『特別』な『言葉』…

 【…ブツ…ブツ…『段階制限発動―Lv3』…ブツブツ…】
 【…ブツ…ブツ…】
 【…クラウン・クラウン…封印仮解除…】
 【…我は…『アレン』…】
 【…我が名…アレン・ウォーカーの名に於いて…】
 【『神ノ道化(クラウン・クラウン)』仮発動せよ!】

 ―ヴヴヴ…パアー!

 …その『呪文』が終わったその瞬間(とき)…アレンの『左手の甲』から『黒い十字』の形の輝きと…次いで『白い十字』の輝きが放たれだし…

 …そして… 
 
 ―カアー!

 …アレンの『左腕』から『白く輝く』何かが飛び出し、アレンの全身を包む…

 …顕れたるその『姿』は『白い道化(クラウン)』…

                                            ―続く―