「…アレンくんの…ゴーレム…じゃあ!もしかしてアレンくんこの近くに…」
 …アレンくんが連れていたゴーレムを見て…もしかしたらと彼の姿を捜し掛けたその時…
 〔…リナリー…聞こえていますか?レディーリナリー…〕
 …何処からともなく…アレンくんの声がした…

 
 
…ディスティニー…
         ―マテール編―
               ―22―
 


 …アレンくんの…声…
 「アレンくん!どこ…」
 …アレンくんの声に…彼の姿を捜す。
 〔…レディーリナリー…僕はいま『マナ』に『伝言』を頼んでいます〕
 …え?伝言?
 〔『マナ』にはティムのような映像記録機能はありませんが…一定時間なら音声を記録することのできる『伝言(メッセージ)』機能ならついているんです〕
 …じゃあ…これは…
 〔…だから僕はここにいるわけでは無いし、双方向でも話はできません…僕が無線を持っていたら別だったんですが…今回は必要ないので持ってこなかったんです…まさかこんなことになるとは思わなかったので…〕
 …済みませんという声が…少し小さく聞こえる…
 …何というか…彼が申し訳なさそうに頭を下げている姿が目に見えるようで…
 〔…それで…『マナ』に『伝言』を頼んだのはですね…アクマのことはもう心配はいらないと言うのを伝えるためです…戦いは終わりましたからもう大丈夫です…それと神田…彼のことも…まあ気を失ってますが…大丈夫でしょう…だから取り敢えず一端合流しましょう…実際会った方が安心できるでしょう?…道がもし解らないようなら『マナ』に聞いてみて下さい、『マナ』が案内できますから…〕
 …もう…大丈夫…
 …その言葉に…
 「…よかった…」
 …そう思った…
 …でも…次に神田の事を聞き…
 「…神田が…」
 …そんなにあのアクマは手強かったのか…と思う…
 …じゃあ…アレンくんがいなければ神田は…
 …もしそんなことになれば…私の所為だっ!
 …私が神田を一人で戦わせたからっ!
 …ああ…よかった…アレンくんがいてくれて…

 アレンくんと出会えた偶然に…私は感謝した…

                                            ―続く―