REMINISCENCE―V―

 VS妲己in禁城!
 〈太公望〉
 禁城に乗り込んですぐに武成王に出会った。なかなかの人物のようだ。
 しかしいきなり妲己が出てきたのには驚いたのう…
 宮廷音楽家としてうまく禁城に入り込めたが…
 妲己にはわしの動きはバレバレで、どころか遊ばれおるわ…
 二日目・テンプテーションの正体は解った…
 妲己が仕掛けてくるその時が唯一のチャンス、この機を逃せば多くの犠牲を出すことになる。
 あやつ、隙だらけなのに隙がない、遊んでおるのだ…
 三日目・四不象はまるでわかっておらぬ、妲己の恐ろしさを…
 「正直わしは恐ろしい…」
 わしの言葉に四不象が不安を洩らしたその時だった…
 妲己が来た、わしの策は功を奏した、その筈であった…だが…
 あやつはそれを読んでおったのだ、完敗だった。
 あげく四不象は誘惑にやられ、打神鞭を奪われ、わしは捕らえられた。
 ―異空間―
 パネルには捕らえられた太公望とタイ盆を造る妲己の様子が映っていた。
 【…やはりわしには倒せなんだか…】
 【ケッ、なにしょげてやがる、予定通りだろうが…大体負けたのはおめぇじゃねぇだろう…】
 【それでもやはり、少し悔しいのだよ】
 【そなた、少し太公望の感情に引きずられておらぬか?】
 【うむ、そうかも知れぬのう…】
 ―禁城―〈太公望〉
 「おい……おい起きろ!!」
 牢で気を失っておったわしは、その声の主に蹴り起こされた。
 「おまえを処刑する!来い!!」
 そやつはそう言ってわしを牢から出した。
 刑場へと引き立てられるわしにそやつは誇らしげに言う…
 「おまえの処刑のために妲己さまはすげぇのを造ったぜ!あれを見な!」
 「…!?」
 そこには大量の蛇を放した穴があった。
 それを見せられたわしの前に妲己が四不象に乗って現れた。
 妲己が言うにはそれはタイ盆というらしい…
 妲己に構わずわしは四不象に声をかけるが、あやつはわしの方を見ない…
 妲己は羌族の者たちを引き出し、彼等を落とすと言う…
 「やめろ妲己!!!悪いのはわし一人だけであろうが!!!」
 わしは叫んだ、妲己に…
 「みんな……逃げろ!逃げてくれ!!」
 落とされる羌族たちに…
 そんなわしに羌族の者の一人が言った…
 「何を言ってんだよ」
 「誰のせいでこんな事になったんだよ!!!」
 「あんたが!力もないくせに蜂の巣をつっつく様なマネをするからだろ!!!」
 その言葉にわしは強い衝撃を受けた…
 「こんな死に方があってたまるか!!みんな!!奴隷根性を捨てて戦うんだ!!」
 そして彼等は戦おうとして、妲己の配下の仙道の攻撃に足場を崩されてタイ盆に落ちた…
 大騒ぎになった…多くの者たちがその場を逃げ出した…
 そんななかを武成王が混乱に乗じて、わしをそこから助け出した…
 ―つづく―


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