『崑崙国1』 ―1―
崑崙国・王宮―別名・玉虚宮の荘厳な回廊を一人の少年が困り顔で、きょろきょろと何かを捜していた…
その様子に気が付いた一人の少年が見かねて声を掛ける…
「お早う白鶴、何を捜してるの?」
「あっ!お早う御座います、普賢様。実は太公望師叔を捜しているんですけど…」
「望ちゃんを?望ちゃんなら、今の時間ならまだ部屋で寝てるんじゃないかな?」
「ええ、そう思って部屋に行ってみたのですが、居なくて…何処にいるのか、今捜してる所なんです…」
「部屋に居なかったの?それなら僕も捜そうか?」
「有り難う御座います普賢様、それでは宜しくお願いします」
そうして普賢と白鶴は別れた。