『崑崙国2』 ―2―

 「望ちゃ〜ん!」
 小さな小窓から顔を出して、自分を呼ぶ者の存在を少年・太公望が認め、見上げるとそこには彼と差程変わらぬ年の頃の少年がいた。

 太公望は窓から顔を出して出来る限りの大きな声で自分を呼ぶ親友に、起きあがり手を振って答え…
 「おう!普賢お早う、どうかしたのか?」
 「お早う望ちゃん!あのね!白鶴が望ちゃんの事捜してたよ!」
 「そうか!分かった!直ぐにそっちに行く!」
 二人の位置は離れていたので、会話は結構し辛いものがあり、自然二人の声は大きくなっていた…
 
 「よっ!ほっ!とっ!」
 そんな掛け声を掛けながら、太公望は手元の本を抱え、器用に木に登りその枝づたえに小窓の所まで戻る…
 普賢がそれを見て少しだけその場を下がり…
 太公望は道服の上着と靴を脱いで普賢に渡すと、体を器用に曲げて小窓を通った…
 
                   ―続く―
 ―あとがき―
 えーと…既にお分かりの方もおられるかと思いますが…これは4/29に書こうとして途中で挫折したものに新たに加筆したものです…
 中途半端な物を済みませんでした<(_ _)>
 ―それではまた―