―Web拍手御礼駄文『オモイ』シリーズ(会話形式)

 ―そうして『オレ』は『あんた』と出会った…―
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 「…座長…なんだっていつもあいつにビラを配らせるんスか?あいつが配るとその分客が減るんですゼ?」
 「ビラ配りは雑用全員の仕事だ。別にあの小僧にだけやらしてるわけじゃねェ」
 「だからこそ別にあいつにやらせなくてもっ…!…」
 「…確かにあの小僧は愛想はねェ…だが…そんな理由で昔からの決め事を曲げるつもりはねェ」
 「…っ!…そういうこと言ってンじゃねェ!座長あんたおかしいゼッ!あいつが来てからっ!一体『アレ』は何処から連れてきたガキなんだっ!あんな気味悪ィガキを見せ物に使うならともかく大して必要でもない雑用係にしてっ…!…あんたあのガキをなんで特別扱いしてんだよっ!」
 「…特別扱い…?…」
 「そうだよっ!あんな愛想も無くて小生意気でおまけに化け物みたいな腕してる…それともありゃホントの化け物か?あんたあいつに誑かされてんじゃっ…」
 「…おいコジモ…いくらなんでも…」
 「うるせぇなっ!おまえらだっていつも言ってンだろうがっ!」
 「あの『化け物ガキ』に『座長は誑かされてる』って!」
 「…ほー成る程…おまえらそんなこと言ってんのか…」
 「…イヤ別にオレらも本気じゃ…ただ…座長…あんたがあのガキを妙に…」
 「…フン…あの小僧をオレがここに置いてる理由がそんなに気になるか…?…」
 「ああ気になる…みんなあのガキを嫌ってる…なのになんでみんなの反発を買ってまであんたはあのガキを置いてるんだ…」
 「…別に大した理由じゃねェ…ただ…あの小僧を『約束の時』までオレが責任持って預かる…そう言う『約束』なんだよ…」
 「…約束って誰と…」
 「…そこまでは言えねェな…まああの小僧を預かるにあたって既にたんまり貰うモン貰ってるし…どうせあの小僧が『ここ』にいるのは後少しだ…それまで辛抱してくれや…」
 そう言って座長は後ろ手に片手を振ってその場を立ち去った…

                             ―続く―




                                   
【第3話】