―Web拍手御礼駄文『オモイ』シリーズ(マナサイド)

 ―そうして『オレ』は『あんた』と出会った…―
                      ―5―
  


 「…まさっ…かっ…!?…」
 その『少年』を見て僕は目を見開く。

 ―『茶色』の髪に鋭く吊り上がった三白眼の瞳は『銀灰』…そして『赤黒い左手』…

 「…まさか…」
 もう一度呟く…否零れると言った方が良いのか…

 ―そこにいる『子供』の表情は昏い…けれどマナは…『その子』の表情にどこか哀しさを感じ…

 「…ミツケタ…」
 そう呟く…

 …嗚呼…嗚呼…遂に見付けた…
 …死んだなんてやっぱり悪い夢だったんだ…

 …嗚呼…早く…早く…『あの子』を抱き締めてあげよう…『名前』を呼んであげよう…だってそうしないと『あの子』は『自分』の『名前』を『忘れて』しまう。『ノア』に囚われてしまう。『イノセンス』に囚われてしまう…

 「…僕の大切な大切な弟なのに…」

 …『千年伯爵』とか『イノセンス』とか言う『余計』なヤツがやって来て連れて行ってしまう…

 …だから早く『あの子』の処へ…もう『誰』にも『ワタサナイ』…『何処』にも『ヤラナイ』…『あの子』は『ハナサナイ』…ずっと『イッショ』だ…

 …待ってて『アレン』…いま兄さんが迎えに行くよ…

 「…もう大丈夫…だから泣きやんで…笑顔を見せて…あの笑顔を…僕だけの笑顔を…」
 ブツブツと呟きながらマナはゆっくりと『チラシを配る少年』の方へと向かい歩いて行った…

                             ―続く―

 



                                   
第6話