―Web拍手御礼駄文『オモイ』シリーズ(アレンサイド)

 ―そうして『オレ』は『あんた』と出会った…―
                      ―10―
  


 「…あっ…そのっ…」
 珍しくも『チラシ』を拾ったその『変なヤツ』はしどろもどろといった体でそう口を開き…
 「…僕は…あ…怪しいものじゃないんだ…」
 そう言ってくる…が…

 …「怪しくない」って…十分怪しいって…おっさん…
 そう胸中でオレはツッコミを入れつつ半眼で見遣り…
 …もしかして…オレ…逃げた方が良いかな…?…
 そんなことを思っていると…

 「…と…通りすがりの旅芸人なんだけど…この『チラシ』を配ってるのキミですよね!?ねっ!?」
 そうなんだか凄まじい勢いで問われ、勢いに圧されオレは慌ててブンブンと大急ぎで頷いて…
 「…あ…ああそうだけど…」
 そう答えつつ…相手の言った『旅芸人』と言う『言葉』に…『もしかして…』と思い…咄嗟に『左手』を背後に隠す。

 …だって…『こいつ』は…『チラシ』を拾っただけじゃない。オレに話し掛けてきた…

 ―だから…『もしかしたらオレの『左手』に気付いていないんじゃ…』…そう思って…
  
                             ―続く―

 



                                   
第11話