―Web拍手御礼駄文『オモイ』シリーズ(マナサイド)
―そうして『オレ』は『あんた』と出会った…―
―11―
「…あ…ああそうだけど…」
頷きつつ左手を背後に隠す『あの子』のその様子に僕は哀しくなる。
…嗚呼…嗚呼…僕が傍にいなかった間に…この子はどれほど傷ついたのか…
そう思って…
―そして思う…
本当は今すぐ抱き締めたいと…「もう大丈夫」そう言ってあげたいと…
…だけど…
…いまの僕は…いまの『この子』にとって不審人物にしか見えないんだろう…
…悲しいけれど…
そう思って…
…それならまず『この子』に近付かないと…不審に思われないように…
そう考えて…
「…僕は…この街に来たばかりなんだけど…路銀が尽きてしまって…サーカスで団員を募集していると言うのなら仕事があるかな?と思ったんです」
そう告げて…
「…このチラシの一座まで案内しては貰えませんか?」
そう頼んだ。
―続く―
【第12話】