―夢を見た…遠い日の夢を…


 
赤き存在(もの)達のローカス―序―


 …イヤッ!行っちゃイヤ!!
 ―小さな少女が泣いている…
 ―私は…この少女を…この日の事を知っている…
 …………よ仕方ないんだ…
 ―少女は自分より少し年上の少年に泣き縋り、叫き続けている…
 …どうして!!どうしていまのままではいけないの!?
 ―少女はその小さな手で少年の胸を叩く…
 …いい加減に聞き分けなさい………
 ―不意に背後からの声に振り向けば、そこにはもう一人、少女よりは年上の…少年とは同じ位の少女が立っていた…
 …イヤッ!どうして!?……姉ちゃんだってイヤでしょ!……兄ちゃんが行っちゃうなんて!!
 ―小さな少女はもう一人の少女を振り返る…
 …確かにわたしだって悲しいわ……と別れるのは…でもね………どうか聞き分けて…この日が来るの…分かっていた筈じゃない、いつかわたしも行かなくちゃいけない!いつかあなたも行かなくちゃいけない!いつか私達は…みんなそれぞれが別れて…それぞれの道を行かなくちゃいけない日が来るって…知っていたじゃない!だから…もう聞き分けて…もう二度と会えないわけじゃないんだから…
 ―小さな少女を抱きしめて、もう一人の少女が囁くように言い聞かせる…
 ―少女は泣きながら頷く…そして泣き疲れたのか眠ってしまう…
 ―そうして少年は去っていく…少女は小さな少女を抱きかかえ反対の方向へと歩き去る…
 ―少女は少年を見送らない…少年も振り返らない…
 
 ―この時我々は決別し…歩き始めた…それぞれの道を…
 ―もう二度と戻れはしないと解った上で…

                             ―続く―
 ―あとがき―
 ようやくスレイヤーズ物第三段!今度は前回のお見合い物とは一転完全シリアスでおおくりしたく思っています!
 …と言ってもどの話しもまだ終わってませんけれどね…連載ばっかり増やしてどうするんでしょうね〜この収拾は?(…まるっきり他人事の口調^^;)
 …済みません…すべてRINの悪癖が原因です<(_ _)>
 …えーと…そろそろここらでお開きにしようと思います…(そうじゃないとL様が来ちゃうから…)
 ―では…それではまたの機会に―RIN―