「ガウリイさん!リナはどうしたんですか!?」
 『…リナはいない…いなくなっちまった…』呆けたようにそう言った金髪の剣士のその言葉にアメリアは彼の両腕を掴んで『しっかりしてと』揺さぶりながら、泣きそうな声でそう言った…

 
 赤き存在(もの)達のローカス―6―


 「お久し振りですリナさん…少しお伺いしたい事があるのですが…宜しいですか?」

 久し振りに現れたあいつ…ゼロスのこの言葉…現在(いま)思えばこれが始まりだったんだろう…
 …たぶん……

 …正直…あんまり覚えてないけど…

 ………
 ………

 …えーと…確か…最初は…いつもと大して違わなかったような気がするんだけど…
 …何かゼロスが拗ねたり…リナが怒ったりしてたような気がするんだけど…
 …あんまり覚えてない…

 「……で?何が聞きたいのよ…」
 …それでリナが不機嫌な様子でそう言って…
 「確かリナさんはゼフィーリアのご出身でしたよね」
 ゼロスが確かめるような感じでそう言って…それで…
 「…そうだけど…それがどうしたの…」
 それでゼロスの言葉を聞いた途端リナがますます不機嫌な感じになって…
 「ではリナさんは…………やその………についてご存知ですか?」
 この時ゼロスがなんて言ったのかオレはよく覚えてないんだけど…
 …確かリナは…この時から明らかに様子がおかしくなったんだと思う…

 …いや…その前から少しおかしかったんだけど…
 …それは本当に少しで…

 …あんな風に動揺したのは本当にそれが最初で初めてだった…

                                  ―続く―