「死ね!!エクソシスト!!」
 白い髪に黒い団服の少年に奇怪な化け物『アクマ』が襲いかかる…
 少年の左手が奇妙な形に変形し『アクマ』を打ち抜く…
 「ヒィッ!!」
 女性が一人すぐ傍で…座り込んで脅えている…
 「大丈夫ですか?」
 優しく笑って声を掛け…助け起こそうとした少年のその手は激しく払われて…
 「来ないで!化け物!!」
 罵声と憎悪を浴びせられ…
 
 …少年は立ち尽くす…

 
 
悪魔の子―序―


 …森の中…捨てられていた赤ん坊…

 …いつ頃誰が捨てたのか…誰も知らない赤ん坊…

 …近くの村の住人が…ある日見つけたその赤子…

 …可哀想にと拾い上げ…連れ帰ろうとしておいて…

 …悲鳴と共に打ち捨てられるは…赤ん坊…

 …恐怖と嫌悪を赤子にぶつけ…逃げ出すように走り去る…

 …しばし幾度か同じようなことがあり…

 …噂が広まり…

 …ついには…誰もが…森を避け…

 …森の赤子へ呪詛するように…

 …早く死んでしまえと誰かが言った…

 …森の中の赤ん坊…

 …数日経って…そろそろ死んだかもと疑問の声…

 …幾月か後に…村人が二人ほどそろそろ良いかと森に行き…

 …一人は帰らず…一人はぼろぼろ…

 …アレはやっぱり『化け物』だ!…叫んで倒れ気を失う…

 …それを聞いた村人は…恐怖の声を上げて言う…

 …殺せ…殺せ…化け物…殺せと…叫び出す…

 …村人こぞって…森に向かい…

 …そして…再び恐怖の声上げ逃げ戻る…

 …村人達は皆ぼろぼろ…

 …蒼白になって詳しくは語らず…

 …ただ…森に行くな…近付くな…

 …あそこには『化け物』が『悪魔』が棲んでいる…

 …そう口々に皆が云う…

 …そうして数年経った頃…

 …村に見かけぬ子供が現れる…

 …白銀の髪に銀灰色の瞳…珍しい色彩(いろ)のその子供…

 …同じ年頃の子供達…物珍しさで近寄って…一緒に遊ぼと声掛ける…

 …遊び始める子供達…

 …大人達は…何処の子かなと口にして…

 …誰もその子を知らぬと気付き始める…

 …可哀想な迷子か捨て子か…

 …村人優しく声掛ける…

 …優しく笑ってお菓子を上げるとそう言って…

 …途端上がるは恐怖の叫び…

 …村人その子を見て叫び…

 …親は子供を連れて逃げ…

 …他の大人も離れた所から石を投げ…

 …『化け物』と呼び…村から子供を追い出した…

 …子供は…何も解らずに…ただ恐ろしくて…逃げ出して…

 …それでも時折人恋しくて…村に近付いては追われ…

 …森の中で…泣き暮らす…

 …ある日村人…森に入る『人』を見て…危ないと止めようと追い掛けて…

 …見つけたモノは…巨大で奇怪なモノに囲まれて…眠っている子供の姿…

 …バケモノ…バケモノ…バケモノだ…アレは悪魔だ…悪魔の子だ!

 …叫びながら…立ち去る村人…

 …噂は広まり…ある日…白き服の者達が噂を聞きつけやってくる…

 …それを見つめてニヤリと嗤う…大きな体の異形のモノ…

 …眠る子供の頭を撫で…奇怪なモノ達に指示を出し…

 …自身は子供を抱いてその場から…透ける様に掻き消えて…

 …白き服の者達は…自身らが『アクマ』と呼ぶソレの出現に…驚きながらも対応しようとす…

 …アクマはケタケタ笑いながら…彼等に攻撃をしながらも…致命傷を負わせずに…殺す前に攻撃を止め…傷だらけの彼等にニヤリと嗤うと…

 …お前ら運が良かったなと言い…

 …伝言があるから殺すなと命じられたと…嘲笑う…

 …遅かったですねvお前達…ここにあったイノセンスはもう我輩のモノですv残念でしたv

 …死に際のファインダーが聞いたと言う…千年伯爵の伝言…

 …無線で伝えられた…それ…

 
 …それは約十年前の事…イングランドの片田舎で起こった…
 …奇怪現象『悪魔の子』の顛末…

                                            ―続く―

 ―イングランドの皆様申し訳ありません―