…殺せ!…殺せ!…

 …悪魔……を!…

 『殺せ!!』


 
悪夢―1―


 「…う…うう…い…いや…う…」
 …その『音』が最初なんなのか、ラビは解らなかった…
 …寝ぼけた頭で…呻き声みたいさ…と考えて…気付く…
 違う!と…みたいではないのだと…そして声の主が誰なのか、すぐにラビは察し慌てて起こしに行く!
 「アレン!アレン!起きろ!アレン!!」
 …数日前から…アレンは夜中に魘される様になった…
 …最初は皆気にしていなかった…当の本人さえ…
 …何故ならアレンはクロス元帥の捜索任務を下されて以来、眠ればしょっちゅう師であるクロス元帥の夢を見て魘されていたから、最初は誰もがクロス元帥の夢だと思っていたからだった…
 …しかし…それがどうも違うのではないかと言う話が出た…
 最初に疑問を持ち、その事を言い出したのは、アレンが夜中に魘されていることに気付いて以来、ずっと心配していたリナリーだった…
 最初は気のせいではないか、心配のしすぎではとの意見もあったが、やはり気になると言うのでアレン本人に夜中に魘されているようだが、やはりクロス元帥の夢を見るのかと聞いてみることにした…
 …しかしアレンの答えは違っていた…

 「?え?僕夜中に魘されているんですか?変だなー?あんまり覚えがないんだけど…師匠の夢でも見たのかなー…でも…あっ!もしかして僕が夜中に起きた時のことですか?済みませんうるさくしちゃって…でもあれは僕起きてたんですよ…えっ?違う?僕は確かに寝てた…じゃあ…やっぱり師匠のせいかなー…でも…魘されたのならいつもだったら覚えてるんだけど…う〜ん…変だな〜…う〜ん…時間が経って忘れちゃったのかな?…でもやっぱり師匠が原因でしょうし…みんなそんなに心配しなくて大丈夫ですよ、有り難うございます、心配かけて済みませんでした」

 …アレンの答えは大体こんな感じだった…
 この答えに「なんだやっぱり」と大方の者が頷いたが、ただ一人リナリーだけが納得がし難いようで…その日一日…居眠りしてはクロス元帥の名を呼んで魘されるアレンの様子をじっと見つめて何事か考え込んでいる様だった…

 …そしてその日の深夜…
 …やはりアレンは魘されていた…
 …リナリーは魘され始めたアレンを無理矢理にでも起こそうと考えた…
 …それまではいくら起こしても魘されている時は起きなかったのと、アレンはどうも左目が治って以来なんども夜中に目を覚ましているようだったので、目を覚まさないのなら無理に起こさなくても良いのではということになって、それほど起こそうとは誰もしなかったのだが…
 …だがリナリーはアレンが昼間言った「…時間が経って忘れちゃったのかな?」という言葉がもしかしたらその通りなのかも知れないと考え、起こして夢の内容を聞いてみようと思ったからだった…

 …そうしてリナリーがアレンを起こそうとしたことが切っ掛けで…それがどうもただの夢では無いという事がわかった…

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 どうも皆様こんにちは、RINです。
 …えー突然ですが…D.Gray−manにはまりました…
 …イエ元々はまってはいたのですが…まだ漫画読むだけで満足できてたんですよね…少し前までは…
 …でも…ある日突然それでは満足出来なくなってしまいました…
 …ネタが浮かぶのです…書きたいと思ってしまったのです…
 …それでも最初は我慢しました…だって書きかけのネタが大量にあるのです…ちょっと一時的に続きが書けず止まってしまっていますが、続きを楽しみにしていてくださる方々がいると思うとそちらを優先すべきだと言うことはわかっているので、そちらを書こうとしたのです…ですが一度あふれ始めたアイデアは止まりません…どうしようもないのです…と言うわけでこうなったら開き直って書いてしまおうということになりました。
 一度ある程度書いたら満足できて、他の書きかけの作品の続きを書けるかもと思ったのです。
 …ちなみにこの話もシリーズで原作準拠IFパラレルです。
 原作準拠ですがお馴染みオリジナル捏造設定を導入するため、結果まったくの別物となります。
 ちなみにCPは基本アレン至上主義・ノーマルです。

                                  ―それではまたの機会に―RIN―