…覚えているのは…薄れゆく意識の内(なか)で聴いた…

 ―「管理人さん!!」―
 ―「ドクターを…ドクターを呼んで…」―
 ―「ケガ人がいるの」―
 ―「お願い早く呼んで!!」―

 …ミランダさんの…悲痛な『叫び(こえ)』…


 
―新たな仲間と未来の約束―
               ―1―
 


 …そして…
 …暗い視界で…僕が次に聴いたのは…
 ―「大変なことになったね」―
 …どこかで…聴いた…憶えのあるような…落ち着いた声…
 ―「ラビ、誰も入ってこないように見張っててよ」―
 …微かに…うっすらと…見えてくる…その姿は…やっぱり…見覚えがあるような…そんな気がして…
 …えっと…あれ…だれ…だっけ…
 …なんだか…ボーっとするなー…なんて…思いながら…『その人』を見ていたら…
 ―「あれ?」―
 …『その人』が…そんな僕に気が付いて…『こちら』を覗き込み…
 ―「や」―
 …そう言って…『手』に持った…大きな機械を…って…な…なんだか…見覚えが…あるような…
 ―「目が覚めちゃったかい?」―
 …って!…そうだ!あれっ!コムイさんのドリルっ!って言うかっ!…
 ―「コムイさん!?」―
 一気に目が覚める!
 …なんでっ!?なんでっ!?ここにっ!?…って言うかっ!!…
 ―「え?ここどこ!?」―
 …どこなんですか!?…なにがあったんですか!?…
 ―「ここ?病院だよ」―
 …混乱する僕を余所にコムイさんのあっさりとした返答と…
 ―「街の外で待機してた探索部隊(ファインダー)から「街が正常化した」との連絡を受けたんだ」― 
 …続く説明と…
 ―「任務遂行ご苦労だったね」―
 …優しい…労いの言葉で…僕は漸く状況を知った…

                                            ―続く―