…それが起こったのは…任務で里を留守にしていた時のことだった…


 
母子哀歌―1―


 ……あっ!カナちゃんお帰り〜!…待ってたよ…ねぇ聞いてくれる?その子の名前をね考えたんだ〜……
 
 …あのヒトは…そう微笑みながら病院から帰ってきた私を…優しく出迎えてくれた…


 ……ねえ伯父様…ねえ伯母様……アノヒトはドコ?……

 …いつも優しい伯父と伯母…問い掛けても答えはない…複雑そうな表情(かお)をするばかり…

 ……ねえアスマ君…アノヒトは?……
 
 …幼い頃から良く知ってる…年齢の離れた従兄弟にも…

 ……大事なあの子を抱き締めながら……

 …でもやっぱり従兄弟も複雑そうな表情(かお)で俯くばかり…

 …ねえ…なんで?…なんで…みんな…そんなに哀しそうなの?…

 …カアサマ?…カアサマ?…ドウシテ…

 …腕の中ではあの子までが…

 …カナシソウに私をミツメテイル…

                                  ―続く―