…何処とも知れぬ処には在た…

 
g…GYUGUW−wyn…gwn…Qyn……Bon!!!!!!

 其れは唐突にやってきた…形容しがたい程の…人間の感覚で言うならば…決して耐えうる事の出来ぬ程のその音とも言えぬ音と感覚…
 その感覚に僅かに眉をひそめると、淡々と彼は口を開く…

 
『…これは…時空の歪みか…随分と強大なモノだが…此程の規模のモノとなると…因はまず間違い無くあの世界であろうな…』

 そう言って彼が左手を中空に延べたと同時にヴゥンという鈍い音と共に空間に映像が生まれる…吸い込まれる様な深く美しい青い惑星(ほし)が…

 彼は暫しその惑星を見つめ、僅かに瞑目するとやがて小さく嘆息し…
 「……これは…わし一人の手には負えぬかもしれぬな…」
 そう呟いて…何処かへと姿を消した…


 ―ラビリンス― =序章・1= 《螺旋‐0》


 
…ブウゥゥ−ン!!!!!!

 
『…クウカン…ノ…ユ…ガミ…ガ……』

 誰もいない…ただ…仄昏い…僅かに薄い輝きを放つ岩室の様なその場所の最奥…巨大な黒々とした石造りの柱の中央に護られる様に抱かれる様に安置されている宝玉が在るその空間にそのコエはした…
 それからどれ程か…暫しして…薄く…揺らめく様に…黒い影がその場に顕れ…僅かな刻を経てその影は人の容へと変わる…
 其れは…黒い長衣に床にも届こうかという長い髪を高く結い上げ、顔全体を覆う黒い仮面をつけて…宝玉の安置された石柱を背にする様に立っていた…

 
『…何処かの(くに)で時空の歪みか…しかし…異なりし界にまで此程の軋みをもたらすとなると…放ってはおけぬな…』

 男とも女ともつかぬコエでそれだけ云うと、その存在はゆっくりと仮面に手をやり長衣の袖で一瞬それが隠れた後、それは何処かへと消え、顕れたのは瞳を閉じた若い女性の顔だった…

                   ―続く―
 ―あとがき―
 ああ〜済みません〜序章の続きですー!しかもまだ続きます!前回あんな事書いたのに第一章までいきませんでしたー!
 しかも今回殆どオリジナルで…封神キャラは冒頭のお方のみ…うう…済みません…
 それで…誰だこいつ…なんだか偉そうだぞって感じのオリキャラはB企画とは全然様子が違いますが螺旋です…
 ちなみに突発リク権ですが…まだ解答が出ておりませんので締め切りを延長します…
 と言うわけで…改めて締め切りは十月末日迄とさせて頂きます。
 ―それではまたの機会に、通常連載共々、駄文ではありますが皆様方これからも宜しくお願い致します―RIN―