「…アレン…アレン…可愛いアレン…お前の望みならどんなことでも叶えてあげましょウv」
 「わーいv千年公ダーイスキv」

 …それは…そう昔の事では無かった…

 「やめてっ!ねぇ!やめて!マナを許してっ!千年公!マナを許して!マナを殺さないで…もう師匠に会わないから…思いつきでアクマ壊さないから…いい子にするからっ!だからっ!マナを…マナを殺さないでっ!!」
 「…駄目ですヨvこれだけは駄目でスvいくらお前の頼みでもネvアレンv」
 にっこり笑って千年公が言って…マナを…殺した…
 「…アレン…向こうに行きなさい…愛しているよ…」
 …それが…マナの最期の言葉…
 …それに僕は悲しくて…大好きな人一人助けられない事が悔しくて…
 「ウワ〜ン!!せ…千年公の嘘吐きー!…千年公なんて大ッ嫌いダー!!」
 …泣きながら…『家』を飛び出した…

 …向かった先は…師匠の所…


 
家出少年の事情―序―
              

 …僕の名前はアレン…
 アレン・ウォーカー…『ノアの一族』兼『エクソシスト擬き』兼『クロス・マリアン神父の弟子兼助手』…
 …なんで肩書きがこんなかって?
 …それは…なんの因果か知らないけれど…ノアとエクソシストに関しては生まれつきだからしょうがないと思います…
 …僕は何故か知らないけれど…ノアとは天敵である筈のイノセンスが生まれつき左腕に寄生している…
 …それでこのイノセンスの使い方を僕に教えてくれたのが…僕の養い親のマナの親友だって言うクロス神父…
 …マナは変わり者のノアでクロス師匠は変わり者のエクソシスト兼科学者…
 …この二人がもっぱら僕を育ててくれた…だから僕も変わり者…
 …ちなみに…なんでエクソシスト擬きなのかは…
 …それは僕がエクソシスト総本部『黒の教団』に入団してないから…そもそもする気ないですし…
 …だって僕どうでもいいんですもん…
 『千年伯爵の終焉のシナリオ』ってヤツ…
 …そんなことより…師匠と一緒に色々研究する方が楽しいですし…
 
 …でも僕…伯爵嫌いですから…時々…アクマを壊したり…
 …イノセンス回収して師匠に渡したりしてるんですよね…

 …どうせハートじゃないですし…

 …伯爵は帰ってこいって煩いですけど…

 …まだまだ許すつもりはありません…

 …だって…マナを殺したから…

                                            ―続く―