『サスケくん!!一緒に帰りましょvv』
 ようやく今日の任務が終わって、そしていつもの通り『サクラちゃん』が『サスケ』に声を掛ける…



 
いつもと違うこと ―序章―
             ―第1話―
 


 …それだけだったらいつもの事『サクラちゃん』は気にせずさっさと帰っていく『サスケ』を追いかけようとし、『ドベ』の『俺』はそんな『サクラちゃん』に『サクラちゃん!!サスケなんかよりオレと一緒に帰ろうってばよぅ!!』なんて言ってそれでまたウザイって言われて殴られるのがいつものパターン…
 …でも今日は『サクラちゃん』の声に『いの』の声がハモって、それに『サクラちゃん』と『サスケ』が驚いて立ち止まってる…
 …当然『ドベ』の『俺』も驚いて『うわっ!!サスケバカ女だってばよ!!』なんて小声で(…でもみんなに聞こえる様に…)言ってみたりして…『いの』に怒鳴られ…
 …そして『俺』を怒鳴ったら、『いの』は今度は『サスケ』に頬を赤らめながら寄っていく…そんな『いの』の様子に正気を取り戻した『サクラちゃん』が怒鳴り、『いの』と『サクラちゃん』は『サスケ』をはさんでの喧嘩を始める…
 …これはこの三人が揃ったらそれこそいつもの事…
 『ドベ』の『俺』は表面上は慌てまくってオロオロして…
 …その実内心では影分身を残して俺は先に帰ろうか?等と考えてる…
 …だってさ…
 …『明るくて』『元気が良くて』『サクラちゃんを好きで』『サスケをライバル視してる』『ドベで落ち零れの』『でも挨拶なんかは割としっかりする』『新人下忍の』『うずまきナルト』がチームメイトを無視して黙って帰るなんてするわけないしさ…
 …『ドベのうずまき』は『遅刻すれすれ』はあっても『遅刻』はしない…

 …尤もアカデミーでは『遅刻すれすれ』はしっかり『遅刻扱い』だったけどね…俺の場合は…『イルカ先生』は別だったけど…
 …他の教師は俺には容赦無く厳しかったからな…『イルカ先生』は真面目なだけで、それでも結構ケースバイケースで大目にっていうか『普通』に扱ってくれていただけ…
 …まあそういう意味ではあの『ミズキ先生』もそうだったけ?
 …でもだから正直結構ギリギリまで分からなかったんだよな、ミズキの動きが…
 …まあそれはもう終わった事だ…

 …そして『帰り』は『一通りドベのナルトらしく騒いだ後』『みんなにおいて行かれて』『一番最後に一人で帰宅』…
 …みんなの姿が見えなくなったら『ちょっとだけ寂しそうに』でも『すぐに元気に走って帰る』『如何にもドベの下忍らしいスピードで』
 …これが普段の俺の行動…
 …当然木の上から隠れて見てる監視役の上忍の気配に気付くなんて絶対有り得ない…

 …だから『ドベ』の『俺』はまだ帰れない…
 …でも…本当は早く帰りたい…

 …だって現在(いま)は…



                                   ―続く―