―『なんで全然成長してないの?』…
 
 …それは…『彼』が…『アレンくん』が…『クラウンくん』だと判ってから、僕がずっと疑問に思っていた事だった。

 ―何故なら…

 …だって…『クラウンくん(かれ)』…(確か)…15か6才…否…もしかしたら17才の筈なのに…(…孤児だから正確な年齢(とし)は解らないって話だったけど…)

 …それでも『入団当時』の『推定年齢』から考えてその位の筈なのに…

 …なのにこの『アレンくん(かれ)』は…

 ―『どう見ても11か12才』…

 …だから僕がその事を『疑問』に思い…

 「…ねぇアレンくん…キミ…成長してないにも程があるんじゃ…」
 次いでそう言ってしまったのは全然無理もない事だったと思う…

 (…うん…言い訳とかじゃなく…)

 …ちょっと『悪かったかなぁー』とかって思うのは…やっぱり『アレンくん(この子)』が泣いちゃったからだろうけど…(…でも…やっぱり仕方ないよねぇ…)

 …だって誰だって思うだろうし…とそう考えつつも、僕は彼を宥めながらも『理由』を訊いた。
  

 
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
                  ―21―
  


 「……副作用です…」
 問い掛けた僕に…両手で顔を覆いサメザメと泣いていたアレンくんが、涙を流しながらも顔を上げてそう言った。

 「…えっ?…」
 『副作用』だと…そう言ったアレンくんの言葉に、僕は目を瞠る。

 「…『副作用』って…まさか…」
 僕はアレンくんの言葉に目を瞠り…そして…

 …副作用って…寄生型の副作用は…そんなんじゃなかったはずじゃ…
 そう考えつつも…

 …まあ…アレンくんみたいな…『物心つく前からイノセンスが寄生してた』なんて例はこれまでないから絶対無いとは言えないけど…
 そう考えを廻らせていると…

 「…違うんです…」
 アレンくんが首を左右に振りつつそう言った。

                                       ―続く―