…アクマと間違えて斬りつけた俺に…平然と『そいつ』は呼び掛けてきた…
 …馴れ馴れしく…俺の『名』を呼び捨ててきた…
 …その馴れ馴れしさにむかついて睨み付けてやると…
 …僅かに怯んだ様子を見せつつも…
 …『そいつ』はなにを考えているのか…
 …にこやかに笑って手を差し出してきた…

 …理解できない人種だ…

 …出来れば関わり合いになりたくない…

 …それが最初に思ったことで…
 …だから求められた握手に応じなかった…


 ―気にくわないヤツ―
              ―序―



 …翌日はいきなり喧嘩を売ってきた…

 …どうやら俺がファインダーに言ったことが気に食わなかったらしい…

 …俺は本当のことを言っただけだってのに…

 …どうやらこいつは言葉を選べと言いたいらしい…

 …まったくまどろっこしい…

 …どうやら…こいつは…箱入りのイイコちゃんらしい…

 …モヤシみたいに白くてひょろっとしてるヤツだ…今後こいつはモヤシと呼ぼう…

 …そう思って呼んでみると…どうやら気に入らなかったらしい…

 …だが俺はテメェの名前になんか興味はネェ…

 …1ヶ月でくたばらなかったら…まあ…覚えてやっても良いが…

 …どうせすぐに死ぬ…

 …名前なんざ覚える必要はない…
 
 …こういうむかつく世間知らずは…

 …力もない癖に綺麗事ばかり言って…

 …早死にする…

 …俺の一番嫌いなタイプだ…

                                            ―続く―


                          ― /2/3/ ―


   『外伝&番外エピソード』  『マテール編』