…目の前のモヤシ野郎が平然と話しかけてくる…

 …しかも物凄く基本的なことを…


 
―気にくわないヤツ―
           ―1―
 


 …正直こいつと話したくなんかないし…しかもこんな基本的なこと面倒臭いにもほどがあるが…

 …基本だからこそ大切でもある…

 …エクソシストであるこいつに説明しないわけにはいかない…

 …これからの任務に差し障る可能性もある…

 …だが…なんでこいつこんな基本を知らないんだよっ!

 …本気でクロス元帥の弟子か?

 …まったく!面倒なっ!!

 …そう思いながらも…一応説明してやる…

 説明が終わるとモヤシはジッと自分の手を見だした…
 …そういやこいつは『左腕』が『武器化』する『寄生型』だったな…
 …大方イノセンスのことでも考えているんだろう…
 そこまで考え…
 …まあモヤシのことなんざどうでもいいか…
 そう考えて…
 資料に目を移す。
 …向こうに着くまでに読んでおかねぇとな…
 …まったく…モヤシの所為で…とんだ迷惑だ…

                                            ―続く―