『俺』は意識を失っていた。
真っ暗な所で透き通った水の上に静かに佇んでいた。
無音…
『俺』は、何も考えず、ただ佇んでいた。
だが突然…
無音だった空間に、音が響いた。
《…ぇ、君…》
《…起きて……さ…》
声は『俺』に起きるように言っていた。
起きることを『俺』は躊躇った。
だって…
『俺』は普通ではないから。
『俺』は化け物だから。
そう考えていたが…
『俺』の意識は勝手に浮上してしまった。