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「ねぇ、君」
「起きてください」
『俺』が起きると13か14歳くらいの少女と不気味な人間とは違う生き物のような男が俺を覗き込んでいた。
「…何?無理矢理起こしたの貴方達?」
「申し訳ありません。ただ如何しても気になったことがあったので…」
「怒らないでくれると嬉しいんだけどなぁ…」
『俺』はそんな二人を見て特に不快にはならなかった。だが違和感を感じた。
「ちょっと待て……お前ら何でここにいるんだよっ……『俺』は壁を造って……」
ここは洞窟の中。入り口には不可視の壁を作っている筈だ。なのに何故こいつらは……?
「やっぱりアレは君だったんだぁ……君、名前は?」
「名前?さぁ?知らない。『俺』は記憶が無くてな。何も判りはしない」
「記憶がない、ですか」
「逆に貴方達の名は?」
「僕はロード」
「我輩は千年伯爵。君は何時からその力を持っているんですか?」
「……さぁ?ずっと、ずっと前からだ」
「そうですか……取り敢えず、おはようございます。我が家族。イレギュラーの14番目」
男は『俺』にそう言って笑った。
「意味が判らない。そもそも『俺』の質問に答えて無いよ。どうやってここにきた?」
「それはね、僕の力だよぉ?」
ロードと名乗った少女はそう言った。
「ふぅん……」
「驚かないんだねぇ」
「何を驚くと云うんだ。『俺』自身がこんなおかしな力をもっているのだから」
「ノアは知ってる?」
「ノア……?大洪水とかの?」
「そうですよ。君は、ノアの一族……だから我輩達の家族、の筈なんです」
千年伯爵は首を傾げた。