「筈なんですが……元来ノアのは13人。なのに君は14人目なんですよ」
「じゃあ『俺』はノアの一族とやらじゃないんじゃないか?」
「ううん。君は確かにノアだよ。だって額に聖痕があるもん。肌も褐色だしねぇ」
ロードはおかしなことを言わなかったか?
「……なぁ、人間ってのは褐色の肌してるんじゃないのか?」
『俺』が疑問を口にすると少女は可愛らしく笑った。
「そんなのまで忘れたのぉ?人間はねぇ……」
ざっとロードの肌が薄くなる。
「こんな色なんだよぉ?これが本来の肌色」
「へぇ……じゃあさ、褐色の肌はノアの一族の特徴のひとつな訳だ。で、もうひとつは額の……」
「そうです」
「……ふぅん」
ロードは突然頬を膨らませると『俺』に乗っかって頬を引っ張った。
「いだだっ……」
「……何で?君、一回も笑ってくれてない…」
「……『俺』は感情が薄いんだ。悪いが……」
「……取り敢えず我輩の所へ来てください。こんなところにいずに。」
「……いいよ。でも『俺』……今眠いんだ。だから、寝さ、せて……」
『俺』はロードに身体を預けて眠ってしまった。
「……可愛い」

……誰かが、呟いた。