―…ミツケタ…ミツケタ…

 …ニガサナイヨ…ニガサナイ…

 …ニガシテナンテヤラナイヨ…―


 
―黒白エスケープ―
         ―第1章―
             ―序―
  


 ……暗い……

 ―気が付いたら何処とも知れない暗闇の中にいた…

 ……ここ…は…?…
 疑問に思って周囲を見回すと…『ザバッ』と言う音と共に足下辺りに感じた不可思議な抵抗…

 ……なんだ…?…
 そう思って見下ろし手を伸ばすと…ピチャ…膝上辺りでその『何か』に触れる。
 …なんだ…水か…
 そして触れた『モノ』が『液体』である事に気付きホッとしかけて…

 ―!…

 …なんだ!?…なんでこれ…!?…この匂いっ…!?…
 何故『自分』はいままで気付かなかったのかと疑問を抱く程の凄まじい『匂い』がその『液体』からはしていた。

 ―そう…凄まじいまでの『鉄臭さ』…
 …つまり…『血』の『匂い』だった。

                                       ―続く―



   ―  ・  
               〜以下続